研究課題/領域番号 |
20K11219
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
春山 幸志郎 順天堂大学, 保健医療学部, 特任助教 (20865878)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脊髄小脳変性症 / 多系統萎縮症 / リハビリテーション / 生活の質(QOL) / COVID-19 / 転倒 |
研究実績の概要 |
本研究は「脊髄小脳変性症と多系統萎縮症患者のQOL向上を導くリハビリテーション介入の検討」のために、日本全国規模の世界的にも類をみない基本情報、医学的情報、社会的情報、リハビリテーション関連情報を集約したデータを基に患者のQOL向上に寄与する因子を明確化することを目的としている。現在は日本脊髄小脳変性症・多系統萎縮症友の会(NPO患者会)の協力のもと、全会員に対するアンケート調査を完遂している。収集したデータをいくつかのステップに分けデータ解析、研究発表を進めている。1次ステップとしてCOVID-19流行下での患者の影響を迅速発表を要する課題として研究発表・論文投稿を行った。現在2次ステップとして主要テーマの患者のQOL向上に寄与する因子を大規模データから抽出するためのモデル構築を進めている。これにより脊髄小脳変性症や多系統萎縮症に対するリハビリテーションの有効性を客観的に判断することが目的となる。最後に3次ステップとしてリハビリテーション関連項目から患者のQOLに寄与するための具体的な介入手段を明確化するための解析を実施する。これにより、どのようなリハビリテーション介入が患者に有効であるかを根拠をもって提示することで、将来のこれらの患者に対するリハビリテーション介入の質と根拠を高めることになる。なお、多角的に実施した本調査は、副次的に多くの解析選択肢があり、二次的解析として患者の転倒情報を基に「どのような身体状況・社会状況にあると転倒のリスクが高まるか」、費用対効果の観点から「リハビリテーションとして提供した時間による患者への有効性は変わるか」という点についても多くの研究報告を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ集積が終了しており、現在いくつかのステップに分けて順次成果発表を進めている。次年度終了時には当初予定しているだけの研究発表が終える計画である。
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今後の研究の推進方策 |
所属施設の臨床統計家と相談しながらデータ解析を進めている。現在保有している集約データを基に研究成果の発表を継続し、次年度終了時までに主要項目を終了させる。二次的なデータ解析結果は、継続してその後も報告を進めていく予定である。本研究の次のステップとしてはアンケートベースでの調査に基づき、実際に有効と考えられるリハビリテーション手法を具体的な臨床研究(ランダム化比較試験など)として実践し、患者や臨床家に成果を還元していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿の進行が計画より遅延しており、諸費用の請求が次年度となっている。その根本原因はCOVID-19の影響でアンケート調査実施が予定より遅延したことによる。
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