研究課題/領域番号 |
20K11219
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
春山 幸志郎 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (20865878)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 効果判定 / 調査研究 / 脊髄小脳変性症 / 多系統萎縮症 / 生活機能 / QOL |
研究実績の概要 |
脊髄小脳変性症および多系統萎縮症を有する患者において、リハビリテーション介入が本当に患者の生活の質(quality of life: QOL)に寄与しているのかどうかを明らかにする目的で、日本全国規模の調査研究を計画した。2020年に研究計画通り、質問紙を作成し、郵送・データ集積を行い、年代、背景因子を有する患者の、基本情報、医学的情報、社会的情報に加え、身体・精神機能障害、活動制限、社会参加制約の因子とその程度を定量化した。当該年度は、これらの複数の大規模データを使用し、構造方程式モデリングを実施した。国際的に使用されるQOLスコア(EuroQOL)を最終アウトカムとし、多角的なアウトカムがどのように関連しあっているか、そしてリハビリテーション介入がQOL向上に寄与するかという、本研究テーマの核心を突く解析を終えている。その報告は、2023年度日本神経理学療法学会にて報告した。構造方程式モデリングの統計結果として、計477名のアンケートデータを基に、対象者の機能と活動レベルが大きくQOLに影響していることが確認された。さらにリハビリテーション介入の量は患者の機能レベルを向上させること、リハビリテーション介入の質は直接的にQOLを向上させることが明らかとなった。リハビリテーションがこれらの疾病を有する患者のQOLに寄与することはこれまでに明確ではなく、今回新しい知見として国際誌で報告予定である。現在は、投稿を進めているところであり、近日中に投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究機関を通して、調査が予定より遅れたものの完了し、成果報告を既に2件実施済み、最終的な成果をとりまとめた論文を最終的に報告することで本研究は当初の予定通り終了となる。したがって、研究実施部分については完了している。
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今後の研究の推進方策 |
調査研究および解析自体は完了しているが、研究論文としての最終報告としてはまだ終了していない。そのため、最終論文は近日中の投稿を進めている。今後の推進方策としては、患者の属性や重症度によってリハビリテーション効果に差があるか、どのようなリハビリテーション介入が最も効果的かという、より具体的な見地を深めるべく、追加調査が重要となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終報告のための論文化のみ年度を持ち越してしまっており、論文発表に必要な英文校正料と雑誌掲載料として使用予定のため。
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