研究課題/領域番号 |
20K11223
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
平野 哲 藤田医科大学, 医学部, 臨床准教授 (80535419)
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研究分担者 |
大高 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (00317257)
向野 雅彦 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (30424170)
才藤 栄一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50162186)
田辺 茂雄 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (50398632)
角田 哲也 藤田医科大学, 医学部, 助教 (80795609)
小山 総市朗 藤田医科大学, 保健衛生学部, 講師 (90754705)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ロボット / リハビリテーション / 脊髄損傷 / 歩行分析 / 表面筋電図 / 運動学習 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,対麻痺者および四肢麻痺者において,歩行支援ロボットWPAL(Werable Power-Assist Locomotor)を用いた歩行練習を行い,運動学習の課程を歩行分析及び表面筋電図解析によって評価することである.歩行分析の方法として,慣性センサ式三次元動作解析装置Xsense(R)を用いる計画であったが,この装置は歩行分析前のキャリブレーションとして健常者に近い歩行速度で歩行を行う必要があり,対麻痺者・四肢麻痺者のロボット歩行では歩行速度が低いため,正確な計測が困難であることが判明した.そこで,今年度は低歩行能力者に対しても簡単に実施可能な歩行分析方法の再検討を行った.まず,複数のCCDカメラで映像を撮影し,そこに映ったカラーマーカを検出することで三次元歩行分析を行うKinema Tracer(R)を使う方法を検討した.しかし,Kinema Tracer(R)はカメラの設置位置に関して厳密なキャリブレーションを必要とし,カメラを移動できないため,平地歩行では計測できる歩数が少ない.トレッドミル上で計測すれば連続歩行の計測が可能だが,習熟過程の対麻痺者・四肢麻痺者は歩行位置と手すり把持位置の関係がわずかにずれただけでバランスを崩すため,本研究には適さないことが分かった.そこで,今回は二次元歩行分析であるダートフィッシュ(R)を用いることとした.健常者での予備実験では,第7頚椎,第5腰椎,両側肩峰,両側腸骨稜頂点,両側歩行器にカラーマーカを貼付し,矢状面および前額面(後方より)の撮影を行うことで,体幹の矢状面・前額面の角度の推移が計測できることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,歩行分析の方法として,慣性センサ式三次元動作解析装置Xsense(R)を用いる計画であったが,この装置は歩行分析前のキャリブレーションとして健常者に近い歩行速度で歩行を行う必要があり,対麻痺者・四肢麻痺者のロボット歩行では歩行速度が低いため,正確な計測が困難であることが判明した.そこで,今年度は低歩行能力者に対しても簡単に実施可能な歩行分析方法の再検討を行い,ダートフィッシュ(R)を用いた二次元歩行分析により体幹角度の計測が可能であることを健常者の予備実験で明らかにした.以上のように,歩行分析手法の変更を行ったため.計画はやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は実際の患者での2次元歩行分析の計測を進める予定である.当初の計画では,WPALを用いた自立歩行を獲得した対麻痺者10名,四肢麻痺者5名の計測を目標としているが,新型コロナウイルスの感染拡大を危惧して,当院での通院リハビリテーションを休止している患者が複数おり,対象者数を減らす可能性がある.歩行が安定した患者については,表面筋電図計測も進める予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
歩行分析の方法を変更したために,購入機材に変更が生じた.Xsense(R)を購入予定であったが,ダートフィッシュ(R)の使用料を1年毎に支払う方針としたため,初年度の使用額が少なくなった.また,2020年度は健常者の予備的実験に留まり,患者の動画データを大量の保存・分析する必要がなかったため,計測用ノートPC,解析用デスクトップPCの購入を見送った.いずれも2021年度に購入予定である.
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