研究課題/領域番号 |
20K11233
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大渡 昭彦 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30295282)
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研究分担者 |
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30325782)
吉田 輝 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (40347109)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳の可塑性 / 神経伝達物質 / マイクロダイアリシス / 運動療法 / NIRS / 簡易脳波計 |
研究実績の概要 |
本研究では、運動学習や機能向上を効果的に促進する、最適な運動刺激や物理的な刺激を、主に脳内物質(神経伝達物質や神経栄養因子、それらのレセプターなど)を指標として明らかにすることを目的としている。また、脳梗塞モデルラットを用いることで、脳損傷後の機能回復にも応用でき、根拠に基づいた臨床の実践に貢献できる。 今年度は前年度の脳梗塞モデルラットの研究で得られた、代償機能と考えられる非対称性の神経活動を臨床場面で確認する目的で、簡易的なNIRS(近赤外分光法)の機器を使用した基礎実験を行った。この機器は前頭葉に限定されるが、脳の左右でヘモグロビン濃度変化を測定できるため、昨年度の基礎実験を臨床が確認できる可能性があると考えている。まずは機器の特性や妥当性、信頼性を確認するために、これまで様々な条件下で使用してきた簡易脳波計と今回のNIRS機器との結果を比較検討した。脳波計とNIRSはどちらも脳の活動を評価しているが、何を計測しているかに違いがある。いくつかの活動に対する結果を比較すると同様の傾向が確認でき、ある程度の妥当性、信頼性が確認できた。しかし、健常者の前頭葉であるため、特定の課題に対する測定結果に左右差を確認することはできなかった。今後は脳卒中患者を対象にした検討が必要と考えられた。このように基礎実験で得られた神経伝達物質の変化を臨床に応用することで、より有効な根拠に基づいた治療法の開発が可能になると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験施設の改修工事に伴う環境変化や、コロナ禍で大学院生等の実験に携わる人員不足で進捗状況に支障が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
実験施設の環境も落ち着いて、博士課程の学生の協力が得られる予定なので、体調管理に注意しながら研究を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はELISA法で使用するMultiskan FC 吸光マイクロプレートリーダーを購入した。次年度はそれらで使用するELISA用キットを色々と購入するための予算として請求した。
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