研究課題
高齢化が進んでいる我が国において、嚥下障害の克服は喫緊の課題であるが、薬剤の嚥下についての研究はほとんどないのが現状である。現在までに我々は嚥下障害発症のメカニズムとして、大脳嚥下中枢から延髄嚥下中枢への抑制シグナルの関与、感覚入力による運動野制御、及び大脳嚥下中枢における嚥下困難の脳内表象(脳内表現)を明らかにした(Yamawaki 2010, Yamawaki 2016, Fujishima 2019)。本研究はこれらの結果をもとに、1)薬剤dosage forms(剤型、潤滑性、可溶性など)の嚥下運動への影響の分析、2)種々の薬剤dosage formsによる嚥下運動の脳内表象の解明、3)現在進行している高齢者における服薬状況に関するコホート研究との比較分析、4)加齢変化及び嚥下障害にふさわしい薬剤内服戦略の開発、を目的とした。2022年度までに、a)装着型嚥下計測器Gokuriによる種々の剤型での嚥下運動の解析、b)fNIRSによる種々の剤型での嚥下の脳内表象の解析、c)コホート研究による高齢者の薬剤内服パターンの解析、を進めており、2023年度は、d)嚥下障害パターンと薬剤dosage formsの解析、e)臨床試験への準備、の5つのサブカテゴリーで進めた。本研究は薬剤嚥下運動の分析及びその脳内表象(脳内コネクトーム:大脳・延髄ネットワークを含む)を解析することにより、嚥下運動に効率的な薬剤dosageformsを解明し、DDS (drug delivery system)も含めた新たな薬剤dosage formsの開発につなげようというものである。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Dysphagia
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