研究課題/領域番号 |
20K11238
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00033358)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 滑膜細胞 / 変形性膝関節症 / 関節リウマチ / 共培養系 / 5-HT4受容体刺激薬 |
研究実績の概要 |
膝関節の変形を起こす関節リウマチ由来のヒト滑膜細胞の代表的な負荷のシェアストレスに対する反応とそれによって引き起こされる神経細胞(共培養系)との細胞間相互作用をカルシウムイメージング法で測定して、「関節リウマチ発症のメカニズム」を解明し、関節リウマチ由来ヒト滑膜細胞の病態形成に関与しているチャネルや受容体ならびに共培養した神経細胞の反応を解析して、滑膜細胞側のブロッカー(YM-58483等)や神経細胞側の神経保護・再生作用を有する5-HT4受容体刺激薬などの新規治療薬としての可能性を探る。 まず、当面は、関節リウマチ由来ヒト滑膜細胞(CDD-H-2910-RA; Articular Engineering を、継代培養、細胞増殖後、冷凍保存)を用い、同様の解析を行い、正常ヒト滑膜細胞での結果と比較検討することによって、関節リウマチ由来ヒト滑膜細胞におけるシェアストレス刺激や化学的刺激による反応が病態時にはどのように神経細胞へ伝わるかをin vitroで予備的に明らかにしてきた。 さらに、ヒト正常滑膜細胞(Normal FLS)とヒト関節リウマチ由来滑膜細胞(RA FLS)のシェアストレス刺激ならびにマウス滑膜細胞に対するタッチ刺激に対する細胞内カルシウム濃度上昇反応におけるCRAC (calcium release activated calcium channel) の関与の程度についても解析を進めた。 その結果、RA FLSにおいてにCRACの発現が増大し、Normal FLSに比べてより優勢に機能していることを初めて発見した。この発見の部分を現在研究協力者とともに論文執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、研究協力者を含め、実験を行うのが困難のため、実験は遅れている。 その間にヒト正常滑膜細胞(Normal FLS)とヒト関節リウマチ由来滑膜細胞(RA FLS)のシェアストレス刺激ならびにマウス滑膜細胞に対するタッチ刺激に対する細胞内カルシウム濃度上昇反応におけるCRAC (calcium release activated calcium channel) の関与の程度についても解析した結果、「RA FLSにおいてにCRACの発現が増大し、Normal FLSに比べてより優勢に機能していること」を初めて発見したのでこの発見の部分を現在研究協力者とともに論文執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ感染拡大が収束すれば研究協力者と直ちに実験を再開し推進する。 これまでに方法論は確立できているので、スムーズに進めることができると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のためリモートでの研究活動が多く、実験を進めることが困難であったため、物品費や学会発表を行うための旅費を使う機会が減ったため次年度使用額が生じた。コロナ禍が収束すれば実験を再開するので予定通り使用することができると思われる。
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