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2020 年度 実施状況報告書

運動負荷により続発性リンパ浮腫は軽減するか?-動物モデルを用いた基礎研究-

研究課題

研究課題/領域番号 20K11241
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

小阪 淳  国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (40243216)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードリンパ浮腫 / 動物モデル
研究実績の概要

四肢の続発性リンパ浮腫は、悪性腫瘍の外科手術後しばしば発生する副反応であり、解決が急がれている。現在、圧迫療法、リンパドレナージ、運動療法などが試みられているが、科学的なエビデンスを持った対策がなされているとは言い難い。その大きな理由の一つは、臨床研究を下支えする基礎研究上の研究成果の少なさにある。中でも、リンパ浮腫を再現できる動物モデルの決定版が未だ確立されていないことが研究の進展を妨げている。代表者はこれまで、ラットを用いた続発性リンパ浮腫モデル作成を試みてきており、ほぼ完成を見ている。本研究計画は、このモデルを用いて、動物に運動負荷を与え、リンパ浮腫が改善するかどうか、及びそれらの変化がリンパ管形態に変化を及ぼしたうえでの結果がどうかを検証することにある。初年度は、副作用としてリンパ浮腫を引き起こすとされる、タキソイド系抗腫瘍剤(ドセタキセル)を成獣雌ラットに注入し、続発性リンパ浮腫が簡便に再現できるかどうかを検討した。ドセタキセル注入ラットを麻酔薬大量投与により安楽死させ、左心から灌流固定を行い、後固定、脱灰後、下肢の全周パラフィン標本を作成した。リンパ管内皮細胞マーカーである抗podoplanin抗体を用いて、リンパ管内皮細胞を標本上で免疫組織化学的に描出し、リンパ管形態を調査した。このリンパ管内皮細胞の同定法は、すでに確立済みである。リンパ管形態を、「環状」「線状」「点状」等に分けて計測し、それぞれを定量化することで、正常対照との比較を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の蔓延により、試薬、物品の入手遅延、実際の研究の遂行に、少なからず支障が発生した。また、オンライン講義への対応など、本務である教育業務にかける時間が増加したこともあり、本課題遂行にかかるエフォート率の実質的な減少をきたした。

今後の研究の推進方策

リンパ管内皮細胞マーカーである抗podoplanin抗体を用いて、リンパ管内皮細胞を標本上で免疫組織化学的に描出し、リンパ管形態を調査してゆく。このリンパ管内皮細胞の同定法として、リンパ管形態を「環状」「線状」「点状」等に分けて計測し、それぞれを定量化することで、正常対照との比較を行う。試薬や物品の入手もほぼ完了したので、研究が遂行できる環境が整ってきており、年次計画に近い形で研究が実施できると考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症蔓延によって、研究遂行に遅滞が生じたため、予算執行についても当初計画との差異が生じた。次年度に次年度分予算額に加えて前年度残額分を執行する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A bilateral third head of the gastrocnemius which is morphologically similar to the plantaris.2021

    • 著者名/発表者名
      Ishii T, Kawagishi K, Hayashi S, Yamada S, Yoshioka H, Matsuno Y, Mori Y and Kosaka J.
    • 雑誌名

      Surgical & Radiologic Anatomy

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1007/s00276-020-02670-w

    • 査読あり
  • [学会発表] 動物モデルを用いたリンパ浮腫発症-治癒過程のリンパ管動態の組織化学的解析2020

    • 著者名/発表者名
      小阪淳、洞口哲、石井貴弥
    • 学会等名
      第10回国際医療福祉大学学会

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公開日: 2021-12-27  

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