研究実績の概要 |
東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科での臨床において痙縮などの筋緊張が亢進した状態の患者に対して体外衝撃波(拡散型圧力波)を適用した。本研究を通じて、拡散型圧力波が治療として有効な患者と、比較的に効果が限定的である患者像が明確になりつつあった。これらの結果を論文として現在執筆中であり、今後、日本リハビリテーション医学会の国内誌(The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine)等で、公表する予定である。 脳卒中後の麻痺に伴う痙縮に関して、令和4年9月の第9回日本ボツリヌス治療学会学術大会のシンポジウムならびに、令和5年9月の第10回日本ボツリヌス治療学会学術大会のシンポジウムにて発表を行った。また、英文の原著論文にて研究結果を公開した。(Takekawa T, et al. Can J Neurol Sci 2021. Takekawa T, et al. Toxins (Basel) 2022. Takekawa T, et al. Clin Neurol Neurosurg 2023.) 慢性緊張型頭痛の症例に対して、肩甲帯の筋緊張部へ体外衝撃波(拡散型圧力波)を適用し、症状が緩和し、和文ならびに英文にて症例報告を行った。この症例では、トリガーポイントからの持続的な疼痛が肩甲帯の筋緊張を亢進し、更に局所の疼痛を助長するとともに持続的に頭痛を誘発している病態があったと考えられた。拡散型圧力波による疼痛緩和効果と筋緊張軽減効果が、この痛みの悪循環を断ち切り、症状の改善に寄与したと考察した。(知野ら.日スティミュレーションセラピー会誌 2022. Takekawa T, et al. J Med Case Rep 2023. 知野ら. 日生体電気物理刺激研会誌 2023.)
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