研究課題/領域番号 |
20K11246
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
太田 大樹 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (10712432)
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研究分担者 |
片野坂 友紀 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (60432639)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 遅発性筋痛 / 機械感受性イオンチャネル / TRPV2 / TRPA1 |
研究実績の概要 |
骨格筋は、不慣れな運動に対して「遅発性筋痛」を引き起こすものの、同強度の運動 (機械刺激) を繰り返すと慣れによって発症が見られなくなる。しかしながら、骨格筋が機械刺激に対して、異なる反応を示す分子機構は不明なままである。この問題の克服には、「遅発性筋痛」の発症に関わる“メカノセンサーの分子実体”を解明することが必要である。本年度は、感覚神経において機械感受性を有することが最近明らかにされつつあるTRPV2について、遅発性筋痛への関与について行動学的に解析することとした。 一次感覚神経特異的ならびに骨格筋特異的TRPV2コンディショナルノックアウトマウス系統とコントロールマウス系統に対し、正常時における機械痛覚を行動学的手法により測定した。その結果、マウス間において機械反応閾値に有意差は認められなかった。また、これらのマウスに伸張性収縮を負荷し遅発性筋痛を発症させ、経時的に機械反応閾値を測定したが、いずれのマウスにおいても機械反応閾値低下が生じ、各マウス間に有意差は認められなかった。一方、同じくTRPチャネルファミリーに属するTRPA1ノックアウトマウスでは伸張性収縮による機械閾値低下が認められなかった。以上により、遅発性筋痛にはTRPV2よりもTRPA1の関与が大きいことが明らかとなった。今後は、筋支配神経におけるTRPV2ならびにTRPA1の発現分布を形態学的に調べ、皮膚支配神経との違いを明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
行動学的実験を遂行し、遅発性筋痛発症に関与するメカノセンサーを同定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、免疫組織化学的実験によるデータを蓄積し、従来の神経マーカーとの共局在度や分布の差異も検討し、学術雑誌への論文投稿や成果公表に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
振込料差額による
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