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2020 年度 実施状況報告書

高齢運転者における認知機能の画像評価システムデータバンク作成

研究課題

研究課題/領域番号 20K11251
研究機関株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所)

研究代表者

恵飛須 俊彦  株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所), リハビリテーション医学研究部, 部長 (40278510)

研究分担者 福永 雅喜  生理学研究所, システム脳科学研究領域, 准教授 (40330047)
村瀬 智一  明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (00708943)
梅田 雅宏  明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (60223608)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード自動車運転 / 安静時fMRI / ドライブシミュレーター / SDSA / 脳領域間機能的結合
研究実績の概要

超高齢社会の到来に伴い、高齢者の認知機能低下が社会に及ぼす影響は重大である。近年、高齢者の自動車運転における操作ミスによる事故の報道があとを絶たず、自動車メーカー側による自動運転など自動車機能の改良の試みはなされているものの、運転者側の対策は未だ十分になされていない。認知機能は、いわば電気回路のような脳内領域間の内在的配線におけるネットワーク機能の低下と関連していると考えられ、自動車運転能力に関連した脳内領域間の機能的結合の状態を画像で評価することができれば、注意機能、遂行機能、記憶機能などの自動車運転に必要な認知機能を画像的に評価することが可能となる。2020年度は、運転能力評価法について検討を行った。
健常人9名と脳卒中症例9名に対して、Stroke Driver’s Screening Assessment (SDSA)、ドライブシミュレーター(DS)評価を施行した。DSは、本研究で導入したHondaセーフティナビ 運転能力評価サポートシステムを使用した。また、脳卒中症例においては神経心理学検査のうち注意機能評価項目としてTrail Making Test (TMT)を行った。
DSにおける注意配分・複数作業での反応動作時間は、SDSAの合格予測式数値と不合格予測式数値の差分と有意な負の相関(r=-0.5253, P<0.05)を認めた。またDSにおける注意配分・複数作業での反応動作時間は、TMT-A(r=0.9244,p<0.005)及びTMT-B(r=0.8333, p<0.05)と有意な正の相関を認めた。
これらの結果に基づき、今後の研究展開としては、健常高齢者及び脳卒中や頭部外傷など脳損傷患者に対して、3T MRI装置を用いて、安静時機能的MRIを撮影し、脳領域間の機能的結合の評価を行い、DS、SDSA及び神経心理学検査との関連について検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度はドライブシミュレーター(DS)導入に研究費を使用したため、rs-fMRI撮影費用を研究費から支出することができず、当年度は運転能力評価法について、脳卒中ドライバーのスクリーニング評価(SDSA)とHondaセーフティナビ 運転能力評価サポートシステムの解析を行った。

今後の研究の推進方策

2021年度の研究費を使用して、60歳以上の健常高齢者(脳損傷の既往歴の無い方で、自動車運転歴があり、かつ高齢に伴う自動車運転能力評価を既に受けられた方)及び脳卒中や頭部外傷など脳損傷患者に対して、3テスラMRI装置を用いて、3D-MRI解剖画像及び安静時機能的MRI(rs-fMRI)を撮影し、病巣の解剖学的評価及び脳領域間の機能的結合(functional connectivity)の評価を行い、ドライブシミュレーター(DS)、脳卒中ドライバーのスクリーニング評価(SDSA)及びMMSE(Mini Mental State Examination, 全般的認知)、TMT-A,B(Trail Making Test,注意)、CAT(Clinical Assessment for Attention,注意)、BIT(Behavioral Inattention Test, 空間認知)、WMS-R(Wechsler Memory Scale-Reviced,記憶)、BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome,遂行機能)との関連について検討する。

次年度使用額が生じた理由

健常高齢者(ボランティア)への謝金として使用する。

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公開日: 2021-12-27  

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