研究課題
超高齢社会を迎えた現在では、サルコペニアの合併は、死亡のリスクを増加させ、自立した生活をするため、サルコペニア予防が重要な健康問題となっている。更に、高齢者ではプレサルコペニアの状態の骨格筋量減少がかなりみられ、サルコペニア予防には骨格筋量測定が必要であるが、時間を要し、プレサルコペニアを推定できるバイオマーカーが望まれる。心臓血管手術を受ける患者に対して、血清GDF-15、エンドセリン(ET)-1値、および術中因子と急性腎障害を含む短期手術リスク間の関連を調べた。その結果、心肺バイパス(CPB)時間のような術前因子のみならず術前のGDF-15、ET-1値が心臓血管手術を受ける患者に対して短期手術リスクを同定するのに役立つ可能性があることが明らかとなった。また、心臓弁膜症を持つ術後の患者において、加圧トレーニングが大腿四頭筋の筋輝度を改善するかを調べた。トレーニング前と比べトレーニング3か月後に膝伸展力、前大腿筋厚の有意な増加および大腿四頭筋輝度の有意な低下がみられた。加圧トレーニングは骨格筋量の改善だけでなく筋肉の質の指標に対しても有効であることが示唆された。さらに、心臓血管手術後のサルコペニアを有する患者において在院日数延長の予測因子を同定する研究を行った。サルコペニアは心臓手術後の患者において術後在院日数延長と関連する最も有意な因子であった。加えてサルコペニア、栄養状態の改善およびCPB時間の短縮が心臓血管手術後のサルコペニアを有する患者において在院日数を短縮させる可能性が示唆された。
2: おおむね順調に進展している
心臓血管手術患者におけるサルコペニア、バイオマーカーの研究が進んでいるため。
本研究に協力してくれる患者を更に増やしていく。
次年度の研究に使用していく。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
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