研究課題
認知症はだれもがなりうるものであり、家族や身近な人が認知症になることなどを含め、多くの人にとって身近なものとなっている。認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していくという国の指針をもとに、我々は、高齢者が住み慣れた地域において心身や脳の健康をも維持しながら安心していきいきと暮らしていくために、大学病院、自治体、地域が連携して活用し、かつ相互に協力し助け合えるサポートプログラムの開発を目標としている。本研究の目的は、地域で運営する「認知症カフェ」の役割に着目し、患者や地域高齢者が気軽に立ち寄れるカフェでの視聴覚教材を起用した音楽体操(音楽運動療法プログラムGEMTOM)の短期および長期実施後における認知症予防効果や家族の介護負担軽減効果を、患者本人と介護家族への主観的・客観的調査を基に認知症患者と家族の支援の在り方を検討し評価することである。大学病院で医療スタッフが運営する認知症予防カフェを開催し、認知症患者とその家族、軽度認知障害者、地域高齢者が共に集い、医療ミニレクチャーを交えて、歌唱、音楽体操を中心に、気軽なよろず相談やおしゃべりができるカフェプログラムを月1回1時間実践した。初回と3か月後、6か月後において、脳波測定、気分調査、満足度、介護負担軽減効果を測定した結果、参加者は参加満足度が高く、継続性に繋がり、生活全体が活性化し、患者の周囲への関わりや認知度は増加した。同伴する介護家族は、共にカフェプログラムに継続参加することで、患者の体調や脳機能が参加前より良い状態が維持できていることを認識し、介護家族の満足度は増加する傾向が見られた。また介護家族自身もプログラムを楽しみながら継続参加することにより心身の介護負担が軽減する傾向が見られた。
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昭和学士会雑誌
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