研究課題/領域番号 |
20K11271
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
福元 喜啓 関西医科大学, 医学部, 准教授 (30636121)
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研究分担者 |
市橋 則明 京都大学, 医学研究科, 教授 (50203104)
池添 冬芽 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10263146)
浅井 剛 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (50411880)
谷口 匡史 京都大学, 医学研究科, 助教 (00827701)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 超音波画像診断装置 / 筋輝度 / 筋内脂肪量 |
研究実績の概要 |
骨格筋超音波画像のエコー輝度(筋輝度)は簡便な筋内脂肪量の指標として用いられている。しかし筋輝度は画像の白さの平均値にすぎず、また組織の深さによるエコー減衰を生じることから、筋内脂肪量としての精度は決して高くはないという欠点があった。そこで本研究では、筋輝度に周波数解析を適応することで、エコー減衰をしにくく、筋内脂肪量を精度高く反映する新しい指標を開発することを目的とした。 本研究は高齢者を対象とした2年間の縦断研究である。2020年度はベースラインとして、高齢者94名(男性42名、女性52名)を測定した。測定項目は、骨格筋評価(大腿四頭筋の超音波撮像、大腿部のMRI撮像および生体電気インピーダンス測定)、筋力・運動能力評価(膝伸展筋力、Timed up and go、歩行能力、立ち上がりテストなど)、身体活動量(歩数計)、質問紙(生活習慣、併存疾患、要介護度、転倒歴など)であった。測定終了後、超音波画像から筋厚と筋輝度、MRI画像から筋断面積と筋内脂肪割合(2-point Dixon法)を算出した。 エコー減衰を防ぐ手法のひとつとして、フォーカス位置を筋中央に合わせる方法を考案した。大腿四頭筋における筋輝度とMRI筋内脂肪割合との相関は、フォーカスを画像最上部に合わせる(r=0.312)よりも筋中央に合わせる(r=0.405)方が高かった。このことから、筋輝度はフォーカスを筋中央に合わせたほうが、エコー減衰を軽減させ、筋内脂肪量をより正確に反映することが示唆された。一方、中間広筋における相関は、フォーカスが画像最上部の場合(r=0.306)と筋中央の場合(r=0.318)とで同程度であった。このことから、中間広筋のような深層筋においては、フォーカスを筋中央に合わせてもエコー減衰の軽減が不十分であり、表層筋と比べ筋輝度の筋内脂肪量としての精度は低いことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請時の研究計画に従い、目標としていた対象者数の測定はほぼ達成した。周波数解析の手法の確立には至っていないが、超音波撮像時のフォーカス位置を筋中央に合わせることによってエコー減衰を軽減させ、筋輝度の筋内脂肪量としての精度を高めることができる可能性を示した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度には、高齢者の比較対照としての若年者30名の測定を行う。測定内容は、高齢者と同様、骨格筋評価、骨格筋評価、筋力・運動能力評価、身体活動量、質問紙とする。筋輝度の周波数解析を試み、若年者と高齢者との比較により、各種パラメータの加齢変化を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は筋力測定機器を購入する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のため、業者との打ち合わせや機器作成が予定通りに進まず、購入は次年度まで見送ることとなった。また同様に、当初予定していたデータ解析・入力の補助者への依頼も十分にできず、一部を次年度まで見送ることとなった。
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