研究課題/領域番号 |
20K11276
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
李 相侖 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 副部長 (90466194)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 高齢者 / フレイル / ライフイベント |
研究実績の概要 |
地域在住高齢者を対象とし、全数募集を行い、同意を得られた方に、実測による身体機能や認知機能検査、ライフイベントを含んだ各種アンケート、医学問診等を用いた高齢者機能健診を実施した。高齢者機能検査の参加者は6,366名であり、男性46.1%、平均年齢は72.8歳(標準偏差6.6)であった。調査を受けた高齢者には個々人のデータをフィードバックした。また、これらの検査データを用い、クリーニング等のデータ構築を行った。 ライフイベントにおいては、孫の誕生等のポジティブなイベントと介護等のネガティブなイベントの11項目で測定した。回答の割合としては1.9%から38.5%であり、上位5位まで(多い順)みると、新しい友人等との出会いがあった、親しい家族、友人が亡くなった、孫やひ孫の誕生、仕事からの引退、配偶者の大きな病気、けがが挙げられた。それぞれのライフイベントを合算した総得点は平均1.6であった。 フレイルに関しては、non-frail者が43.5%、pre-frailは48.7%、frailは7.9%を示した。各フレイル別のライフイベント発生割合をみると、それぞれ1.5、1.6、2.0であり、frailの高齢者ほど発生割合が高かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の感染対策により、対象者を募集しても人が集まらない、または、集まれないこと、対象者の参加ししやすさのためにアクサスを考慮した地域における大型施設を利用しようとしても予約・利用が難しいこと等から、研究事業の実施がCOVID-19の前より難しいかった。関連自治体、担当部署との綿密な相談、参加スタッフの配置などを工夫、健診等の実施時における徹底的な予防対策を講じ、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
高齢者機能検診におけるデータ構築が終了し、今回のデータ結果をもと、学会および論文作成を進める。また、脳構造におけるデータ構築との結合作業を進め、解析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
データ整理等に必要な謝金、物品、その他費用を次年度に回すことで、データ構築の効率を図るため。
|