研究実績の概要 |
研究は1)遺体を用いた生体力学的研究、2)患者での評価、3)リハビリ介入効果の証明、の3つからなっている。今年度の研究では、1)遺体を用いた生体力学的研究と2)患者での評価を行った。超音波エラストグラフィを用いてリバース型人工肩関節手術術後の患者の三角筋ひずみを計測した。使用した人工関節は3種類である。いわゆるin lay型が2機種、on lay型が1機種である。計測部位は、三角筋の前部、中部、後部である。術後のレントゲンを用いて、上肢長がどの程度延長されたかを計測した。その延長量と超音波エラストグラフィとの関係を調査した。延長量が長ければ長いほど三角筋のひずみは大きくなっていることが分かった。部位別にみると前部と後部よりも中部のひずみ値が大きくなっていることが分かった。ひずみセンサーによる三角筋長の定量評価はM-DVRT(MicroStrain, Burlington, VT, USA)で行った。肩甲上腕関節の動作評価は磁気センサーによって行った。使用センサーはFASTRAK(Polhemus, Colchester, Vermont)である。超音波エラストグラフィ装置による三角筋の緊張の観察はAplio 500(東芝メディカルシステムズ)、ならびにShare wave elastography(東芝メディカルシステムズ)を用いて計測した。人工関節が一定以上下方へ延長されると筋の緊張が高まることが分かった。患者での計測は3肩で行なった。今後、計測を継続し、統計学的有意差がでるところまで症例数を増やしている予定である。
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