研究課題/領域番号 |
20K11280
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
香山 綾子 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 助教 (70312270)
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研究分担者 |
斎藤 季 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (00646466)
小山 博史 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (30194640)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 聴覚情報処理障害 / APD / LiD / 聴覚情報処理機能訓練 / バーチャルリアリティー |
研究実績の概要 |
聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorder : APD or Listening difficulties (LiD))は、末梢聴力には明白な異常を示さないが、雑音下や複数の会話下などの聴取に負荷のかかる状況下で聴取の困難を示す障害である。LiDの症状の改善に、聴覚訓練が有効な方法の1つであると考えられている。この方法では、聴覚訓練課題が用いられている。雑音下聴取検査、複数音声下聴取検査、両耳分離検査などで構成される聴覚情報処理機能検査で使用される聴取課題が訓練として用いられることが多い。しかし、単調な訓練であることや聴覚情報処理機能検査が目的の聴取課題が使用されていることから、訓練効果と訓練に対するモチベーションの維持に課題があった。これらの課題解決のために、欧米では聴覚情報処理機能の向上を目的とした訓練アプリケーショ(アプリ)の開発が進められているものの、日本語版の訓練アプリは存在してない。 そこで本研究では、LiDのための日本語版聴覚情報処理機能の訓練アプリケーション(アプリ)の開発を試みた。開発アプリには、バーチャルリアリティー(VR)技術を導入し、現実世界での聞き取り環境に即した訓練環境を構築するとともに、訓練結果を定量的に表示することにより訓練効果を可視化することで、訓練効果と訓練に対するモチベーションの低下を防ぐ仕様になるように設計した。 本年度は開発したアプリの効果の検証を行なった。まず、健常者を対象としてアプリを体験してもらいVR酔いといったVRアプリのリスクの有無を検討した。その結果、VR酔いなどの不快な症状が現れることなくアプリによる訓練を行えることがわかった。そこで、LiDの症状を訴える被験者に、専門家の指導のもとアプリを体験していただくこととし、現在データの収集を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で予定していた数の被験者を集めることができなかったから。
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今後の研究の推進方策 |
実験に協力していただける被験者の数を増やしデータを収集し、アプリの問題点を洗いして、アプリを改良し完成する予定である。
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