認知症高齢者の増加が社会的な課題となり、認知症の予防に役立つ非薬物的プログラムが求められている。最近、その手段の一つとして、回想法が注目され、地域在住高齢者を対象に、その取り組みが始まっている。しかし、実施方法や回想を促す手がかりについて、十分な調査が行われてない。 今回は、回想を促す手がかりとして嗅覚刺激に着目し、適切な嗅覚刺激の種類を調査した上で、地域在住高齢者を対象に、嗅覚刺激を用いた回想法を行い、認知症の発症リスク要因(抑うつ、社会的孤立、不安)に対する効果を検証したところ、一般的に行われる回想法とその効果に違いがないことが示唆された。
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