研究課題/領域番号 |
20K11287
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
菅原 憲一 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (90280198)
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研究分担者 |
鈴木 智高 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (00576382)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 運動学習 / 運動誘発電位 / 電気刺激 / リハビリテーション / 理学療法 |
研究実績の概要 |
私たちは,これまでの研究で電気刺激による末梢感覚入力の適応の相違による当該筋を支配する皮質運動野の興奮性動態さらには運動学習への効果を明らかにしてきた.その成果を踏まえ本研究では,以下の3つの方法で研究を進める. 1.健常成人の運動スキル特異的電気刺激による中枢神経系の運動制御機構の解明(基礎研究) 2.運動スキル特異的電気刺激に関する有効な電気刺激パラメータ(強さ,周波数,刺激特性など)の検討(基礎研究) 3.障がい児・者への運動麻痺筋の随意性向上に向けた制御動態の解明(臨床研究) その中で令和3年度の研究の概要として,基礎研究である1.2のテーマにおいて,『運動スキル特異的電気刺激によるトラッキング運動学習課題による皮質運動野に生じる運動制御学的検討』,『各種電気刺激による反復学習前後における上位・下位運動ニューロンの興奮性変化の検証』に着手し,実験を終えるとともに学会発表を行い,その内容を現在雑誌への投稿を行っているところである.また,『効果的な運動スキル特異的電気刺激における電気刺激パラメータの設定立案』に関して現在実験の施行を行い,結果の確認を行っているところである.さらに,上記研究テーマに関係する付随した内容の研究である運動学習と運動イメージに関わる中枢神経の制御動態に関わる研究も同時に施行している状況である. また,現在上記基礎研究を行うと同時に臨床展開に向けての検討を行っているところであるが,コロナ禍の状況において臨床展開に向けた検討に支障が及ぶことが想定される.臨床展開における研究に関する施設はすでに整っている.これに関しては,もしコロナ禍のために状況が許容されなければさらなる基礎研究の追求を行うというように軌道修正する可能性がある.これについては状況を見ながら行っていくこととする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床展開に向けた実験施行がコロナ禍において実施が困難となっている.しかし,それ以外の基礎研究においては当初の予定通りとなっていることから,臨床展開に向けた研究がこのまま困難ということになれば基礎研究をさらに進めていくことで同様の研究成果を得ることも可能であることから,状況を見つつ進めていくところである.
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今後の研究の推進方策 |
運動スキル特異的電気刺激が運動学習に対してどのような効果を生じるのか,または,中枢神経系の可塑性に対してどのような制御動態を変容させるのかについて詳細な検討を深めることは運動学習治療プログラムの構築に大きく寄与するものである.そのため,基礎研究においてはその部分についての詳細な検討を深めつつ,臨床展開に向けた可能性を模索していく.さらに,基礎研究部分においては今後学会発表および国際誌への投稿を本年中に多層的に進めていく方向である.
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度への使用額が生じた理由としては,当初予定していた臨床研究実施に関わる予算配置および実験備品等の準備においてコロナ禍による影響が大きく予定に影響を与えたことである.そのため,臨床研究の実施について大幅な予定変更が強いられている.状況を見つつ実験状況の変更を視野に検討を行っている.臨床フィールドで実験が出来る可能性がある場合は予定されていた使用がそのまま実施できる.しかし,それが出来ない場合は基礎研究部分を充実補完し臨床フィールドで行う予定であった措置を構成し研究室においての実験に変更する可能性もある.その面から予算の支出は問題無く執行出来る予定である.
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