研究課題/領域番号 |
20K11294
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
縣 信秀 常葉大学, 保健医療学部, 准教授 (00549313)
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研究分担者 |
伊東 佑太 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30454383)
清島 大資 東海大学, 医学部, 講師 (80756370)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 筋損傷 / マウス |
研究実績の概要 |
筋損傷を受けた理学療法対象者が,早期にADL能力を獲得するために,筋損傷からの回復を促進させる理学療法を開発することは必要である.これまでの動物実験モデルを用いた研究から,超音波刺激は筋損傷の回復を促進させることが分かった.また培養細胞を用いた研究で,超音波刺激が筋衛星細胞の増殖を促進すること,筋管細胞を肥大させることがわかった.しかし,筋損傷の回復を促進させるメカニズムについては不明である.筋再生には,炎症性細胞,筋衛星細胞,筋細胞の間で生じる複雑なクロストークが重要な役割を担っていると考えられている.そこで本研究では,遺伝子組み換えが行いやすいマウスで筋損傷モデルを作製し,超音波刺激が筋衛星細胞,筋細胞,マクロファージに及ぼす影響を検証し,筋損傷からの回復促進メカニズムを明らかにするこことを目的としている. 本年度は,遺伝子組み換えが行いやすいマウスで筋損傷モデルの作製に取り掛かった.伸張性収縮による筋損傷モデルラットを作製するのに用いた小動物用足関節背屈装置をマウスの骨格に合わせ改良した.また,ラットとマウスでは筋ボリュームや収縮特性が異なるため,マウス前脛骨筋を損傷させるのに適した伸張性収縮の条件を検証した.筋損傷量の組織学的評価には,Evans Blue Dye とDystrophin 染色を用い,機能的評価にはマウス足関節背屈筋群の最大収縮時のトルク測定を用いた.その結果,一定の筋損傷量を作製できる伸張性収縮の条件を定めることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により,研究代表者,共同研究者が所属する組織において,構内の立ち入り制限や出勤制限が実施されたことにより,十分な研究時間が取れなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
当初,筋損傷モデル作製と平行して,超音波刺激による細胞応答の解析を実施する予定であったが,COVID-19の影響により十分に遂行できていない.今後は筋損傷モデルマウスを用いて,超音波刺激による細胞応答の解析を進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により,当初予定していた筋損傷モデルマウスを用いた超音波刺激による細胞応答の解析を実施することができなかった.この実験に用いる予定であった抗体や試薬の購入を行わなったため,次年度使用額が生じた.実施できなかった筋損傷モデルマウスを用いた超音波刺激による細胞応答の解析は次年度に実施するため,次年度使用額は必要な抗体や試薬の購入に用いる.
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