研究課題
基盤研究(C)
今回の実験は、TRICチャネルが陽イオン、陰イオンの両方を透過する非選択的イオンチャネルである可能性を示唆している。陰イオンと陽イオン両方の経路として機能する能力は、これまでのTRICは陽イオンを透過させるチャネルという考えを発展させ、より多様な細胞タイプに適したより柔軟なカウンターイオン電流を提供するチャネルであると期待される。
細胞生物学
超高齢社会を反映して心機能に問題を抱える人は多く、心疾患は死因では第1位の悪性腫瘍についで第2位である。心臓の収縮を制御するのはカルシウムの規則正しい循環であり、その役割の1つを担っているのが小胞体からカルシウムを放出するリアノジン受容体である。従って、リアノジン受容体の研究は広く心臓研究者、臨床医の関心の的である。今回のリアノジン受容体とTRICの関係は全く新しい知見であり、閉塞感のあったリアノジン受容体研究の新たな展望で、治療につながれば社会的意義も計り知れない。