研究課題/領域番号 |
20K11307
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
長ヶ原 誠 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (00227349)
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研究分担者 |
彦次 佳 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (30637062)
谷 めぐみ 湊川短期大学, その他部局等, 准教授 (50782744)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 生涯スポーツ / マスターズスポーツ / 国際スポーツ大会 / レガシー / ホスト効果 / 地域活性化 / アクティブエイジング / 縦断的研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、2022年に開催が予定されている国際的生涯スポーツ大会・ワールドマスターズゲームズ関西を研究対象とし、大会の準備期から開催後までのホスト自治体における様々な活性化効果を縦断的に分析することを目的としている。一般の成人・中高年が出場可能な参加型メガスポーツ大会とアクティブエイジングを象徴する啓発大会として特徴づけられ、大会準備事業により、特にに地域における生涯スポーツ振興に関わる様々な影響や事象が大会前から表出し、大会中・大会後への影響過程を分析できる機会となる。本研究の全体的な分析枠組として、広域圏9府県地方自治体の人口規模と高齢化率と共に大会参画度(主催、支援、非関与)により自治体を類型化し、各自治体群を対象とした住民スポーツ参画状況や活動的高齢化等の活性化効果と共に、生涯スポーツ振興事業・環境に代表される開催準備によるホスト自治体の活性化効果を追跡比較分析し、従来の研究で見られなかった国際的生涯スポーツ大会の準備期から開催後までを通じた縦断的影響に関する具体的内容を明らかにしていく。2020年度は開催準備期の研究期間であり、大会延期が決定されたものの、様々な準備事業が展開され、これらの事象を関西圏全体のモニタリング調査と共に、複数のホスト自治体調査に基づいて開催準備期における活性化関連情報の収集とプロセス評価分析を実施した。これらの分析の結果、関西大会レガシー活性化モデルの仮説化と概念化、また主要なレガシー活性化に関するKPIの開発を行った。これらのモデルと指標を元に、2022年の大会開催年と翌年開催後の活性化効果を追跡にレガシー継承効果の縦断的検証に適用していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の縦断的分析の主軸となる自治体モニターと圏民モニター、大会参加者意向調査を通じて、大会準備期におけるホスト自治体や関係者のデータ収集と分析を計画通り実行した。自治体モニターと圏民モニター調査では定量的分析に加え、特に大会参画と高齢化率の高い自治体に対しては、各自治体の事業を実行委員会資料と関係職員調査、地元住民調査を中心にデータ収集と内容分析を並行して実施した。分析にあたっては過去の世界大会や大陸別大会の大会ガイドラインを元に国際マスターズゲームズ協会との共同研究により開発した「World Masters Games KPI」における各大会準備ステージの重要事業項目を参考に事業データをカテゴリー化し、大会事業と住民の大会参画度との時系列関連分析を行い、アクティブエイジング指標の変化量に対する大会準備事業の影響プロセスを具体的に提示することを計画通りに実行することができた。しかしながら、年度後半の11月以降は、新型コロナによる2022年への大会延期決定に伴い、組織委員会と各開催ホスト自治体の準備事業も中断となり、11月以降のデータ収集は実施不可となった。この間はそれまでに収集したデータ分析とモデル・指標開発に活用し、次年度からの検証のための仮説モデルの構築を行った。
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今後の研究の推進方策 |
仮説モデルの構築による以下の活性化効果と各指標を大会開催期と開催後まで追跡分析していく。1)生涯スポーツ活動の推進(スポーツ参画頻度、スポーツ参画充実度、スポーツ参画意欲度)、2)健康増進活動の推進(主観的健康度、健康増進活動促進、アクティブエイジング活性度)、3)生きがいに満ちた社会づくり支援(自由時間充実度、自己実現達成度、ライフスタイル充実度)、4)地域住民の交流活性化(地域内交流活性度、自治体組織活性度、自治体事業活性度)、5)地域の住みやすい環境と街づくり支援(スポーツ関連施設充実度、観光関連施設充実度、健康関連施設充実度)、6)地域間交流と組織間連携の拡大(広域事業活性度、広域組織活性度、広域制度活性度)、7)地域観光と観光客の増加(観光体験満足度、国内参加者再来意向度、国外参加者再来意向度)、8)スポーツ・健康産業の活性化(スポーツ関連産業活性化、健康関連産業活性化、観光関連産業活性化)、9)日本・関西の文化発信と成熟化(大会関連文化プログラム活性度、関西地域文化発信活性度、日本文化発信活性度)、10)開催地における国際化の推進(国際大会運営評価、大会ホスト国際化促進、大会ホスト国際展開計画化)、11)スポーツを通じたアジアの活性化(アジア参加人口拡充、アジア拠点形成、アジア大会開発・招致)、12)国際交流による多様な文化理解の促進(多文化理解促進、国際平和啓発促進、国際課題からの共同復興)、13)教育活性化によるエンパワーメント(ボランティア活性化、地域スポーツ支援事業活性化、大会関係者の力量形成)、14)大会関連研究の開発や科学的技術発展(学術連携活性化、大会関連情報知見継承、WMGレガシー関連情報知見継承)、15)ユース世代への活力ある人生観の啓発(ユースボランティア活性化、生涯スポーツ啓発促進、WMG関西大会価値の伝承)
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当初予定していた12月以降の自治体調査実施を中止し、その調査は事前度に実施する。
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