研究課題/領域番号 |
20K11320
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研究機関 | 東京有明医療大学 |
研究代表者 |
笹木 正悟 東京有明医療大学, 保健医療学部, 講師 (30563473)
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研究分担者 |
永野 康治 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (00548282)
市川 浩 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (20375463)
小山 孟志 東海大学, スポーツ医科学研究所, 講師 (90734830)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小学生 / サッカー / 加速度 / 外的負荷 / 障害予防 |
研究実績の概要 |
1年目となる令和2年度は、研究全体の基礎となるデータの収集と分析を行った。小学生サッカー選手(5年生、フィールドプレーヤー)11名を対象とし、JFA U-12競技規則に準じた8人制サッカーの試合中に生じる体幹加速度を計測した。得られた加速度データから、小学生サッカーの競技特異性を含んだ高負荷動作(合成加速度:>6Gおよび>8G)はどのような場面で見られるのかを検証した。また、高負荷動作の発生頻度および加速度の大きさを検討した。 全選手の総出場試合時間は305分であり、合成加速度が6Gを超える場面は2649回、8Gを超える場面は798回抽出された。つまり、試合の中で6Gを超える場面の発生頻度は1分間あたり8.70回(95% 信頼区間:8.37-9.03回/分)、8Gを超える場面の発生頻度は1分間あたり2.62回(95% 信頼区間:2.44-2.80回/分)であった。こうした高加速度動作の発生頻度は、先行研究 (Koyama et al. 2020) における大学生バスケットボール選手と類似した結果であった。 Gを超える高加速度の発生頻度が高かった上位5場面は、ブレーキング(1分間あたり0.92回、35.1%)、スローダウン(1分間当たり0.44回、16.9%)、ストップ(1分間当たり0.29回、11.0%)、ブレーキングの予備動作(1分間当たり0.19回、7.4%)、ランニング(1分間当たり0.12回、4.5%)であった。また、ブレーキングはスローダウンやランニングに比べて合成加速度が有意に大きい結果となった。その原因として、体幹長軸の加速度がブレーキングで大きい特徴を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初は研究1年目に小学3年生以上の横断データを広く収集する計画を立てていた。しかしながら、国内における新型コロナウイルスの感染拡大や関東圏における緊急事態宣言の発令により、対象とするチームの活動自体が自粛に追いやられる期間が長く続いていた。そのため、5年生の一部を対象とした小学生サッカー選手の代表的なデータを収集・分析するにとどまっている。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度には中学年(小学3~4年生)の基礎データを収集するとともに、令和2年度に計測した選手の縦断データを集積していく計画を立てている。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は新型コロナウイルスによる活動自粛に伴い、収集できたデータ数が限られたことから、現在整備されている環境で解析まで行うことができた。次年度は収集するデータサンプルを増やすことに必要な人件費に充てるとともに、データ分析を効率的に進めるための解析ソフトの増設を計画している。
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