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2023 年度 実施状況報告書

水平成分の分力分析を含めたベンチプレスの動力学生理学特性の観察

研究課題

研究課題/領域番号 20K11324
研究機関順天堂大学

研究代表者

谷本 道哉  順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 先任准教授 (70435733)

研究分担者 荒川 裕志  国際武道大学, 体育学部, 教授 (20591887)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード水平成分分力 / 摩擦力 / 筋活動レベル / ベンチプレス
研究実績の概要

実験1:バーのグリップ条件の違いが1RMベンチプレスに与える影響
方法:筋力トレーニング熟練者11名を用いてクロームメッキ製バー(Chr)、スチール製バー(Stl)でベンチプレスを挙上する2つの条件で1RMテストを行った。手幅は肩峰幅×2とし、3条件の実施順序はランダムで、条件間に90分の休息を挟んだ。試技中に大胸筋、上腕三頭筋の筋活動、バーの水平張力の測定を行った。結果:1RM挙上重量はStlで84.0±14.3㎏であり、Chrの81.8±13.3㎏より有意に高値であった。バーの張力の鉛直押力に対する割合はStlで36.6±8.5%、Chrで34.9±8.5%で、条件間に差はほとんど見られなかった。大胸筋と上腕三頭筋の筋活動レベルは、挙上動作中の平均値、最大値ともに条件間の差はほぼ見られなかった。バーの摩擦はStl>Chrと一般には言われる。その影響でバーの張力、筋活動配分に変化が見られ、1RMに影響すると予測したが、バーの張力、筋活動配分に明確な変化は認められなかった。
実験2:バーのグリップ条件の違いが75%1RMベンチプレスに与える影響
方法:筋力トレーニング熟練者11名を用いてクロームメッキ製バー(Chr)、スチール製バー(Stl)で行う2つの条件で、75%1RM負荷条件でベンチプレスを挙上不能まで反復を行った。測定の諸条件は実験1と同様であった。結果:反復回数はStlで13.3±1.4回であり、Chrでの12.0±1.4回より有意に高値であった。バーの引張力の鉛直押力に対する割合、大胸筋と上腕三頭筋の筋活動レベルは2条件間でほぼ違いが見られなかった。
摩擦の大きいとされるStlでは最大挙上重量、反復回数が大きくなることが観察されたが、水平成分分力に違いは見られず、筋活動レベルにもほぼ差は見られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

習慣的にレンジスタンストレーニングを実施している、キャリア3年以上の被験者をリクルートしやすい状況にあり、順調に計画を継続実施できている。使用機器等にも問題はない。
標的部位を意識させることによるトルク配分等に与える影響に関する研究は、予備実験を慎重に進めており、本測定にたどり着いていない。動作に対する慣れの影響が大きいものとみられるため、十分な習熟期間を設けて次年度に測定を実施する予定で計画を進めている。

今後の研究の推進方策

計画に従って最終年度の研究を進めていく。
・標的部位を意識させることによるトルク配分の変化:動作部位への意識をさせるBP長期介入で標的部位のトルクが増大する力発揮になるのか 充分な予備実験を進めた上で本測定を実施する。
・これまでの研究結果を振り返り必要と考えらえる内容の検証

次年度使用額が生じた理由

主に、予備実験を慎重に進めている「標的部位を意識させることによるトルク配分等に与える影響に関する研究」の未執行分が残額となった。次年度に測定を行うのでこの残額分を繰り越して使用する計画である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 7件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 10-30RM スクワット及びベンチプレスの全身性主観的運動強度と呼吸循環応答の比較2024

    • 著者名/発表者名
      谷本道哉, 町田修一, 柳谷登志雄
    • 雑誌名

      Strength Cond Res J

      巻: 31(4) ページ: 14-21

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lateral Force and EMG Activity in Wide- and Narrow-Grip Bench Press in Various Conditions2023

    • 著者名/発表者名
      Michiya Tanimoto, Hiroshi Arakawa, Mauto Sato, Akinori Nagano
    • 雑誌名

      Sports

      巻: 11(8) ページ: 154

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Greater Hip Moments in Rear-Foot-Elevated Split Squats Than in Conventional Back Squats With the Same Relative Intensity of Loads2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Arakawa, Miyuki Mori, Michiya Tanimoto
    • 雑誌名

      J Strength Cond Res

      巻: 37(5) ページ: 1009-1016

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 健康で潤いのある人生を目指して -アスリートと医師と共に考えましょう2023

    • 著者名/発表者名
      谷本道哉
    • 学会等名
      第63回 日本呼吸器学会・市民公開講座
    • 招待講演
  • [学会発表] 人生110年時代の心と体の健康つくり2023

    • 著者名/発表者名
      谷本道哉
    • 学会等名
      第11回 大阪看護学会 招待講演
    • 招待講演
  • [学会発表] フレイル予防のための自宅でできる運動2023

    • 著者名/発表者名
      谷本道哉
    • 学会等名
      第38回 日本臨床代謝栄養学会 特別講演
    • 招待講演
  • [学会発表] ウェルビーイングを高める女性のための筋肉体操2023

    • 著者名/発表者名
      谷本道哉
    • 学会等名
      第9回 母子栄養学会懇話会学術集会 特別講演
    • 招待講演
  • [学会発表] 人生110年時代を目指す ~たのしく嬉しい体づくり~2023

    • 著者名/発表者名
      谷本道哉
    • 学会等名
      第25回 日本医療マネジメント学会学術総会 招待講演
    • 招待講演
  • [学会発表] 心疾患者にも“やさしい”「1日5分」筋トレメニュー2023

    • 著者名/発表者名
      谷本道哉
    • 学会等名
      第28回 日本心臓病学会 運動処方講習会
    • 招待講演
  • [学会発表] 人生110年時代の裏切らない筋トレ法:創傷治癒との関連を含めて2023

    • 著者名/発表者名
      谷本道哉
    • 学会等名
      第53回 日本創傷治癒学会招待講演
    • 招待講演
  • [図書] 健康にEnjoy筋トレライフ2023

    • 著者名/発表者名
      谷本道哉
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      ベースボールマガジン社
    • ISBN
      9784583115306
  • [図書] 現代用語の基礎知識2023

    • 著者名/発表者名
      谷本道哉
    • 総ページ数
      352
    • 出版者
      自由国民社
    • ISBN
      9784426101473

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公開日: 2024-12-25  

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