研究課題/領域番号 |
20K11325
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
北浦 孝 福山大学, 経済学部, 教授 (00143868)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | COVID-19 / Python / AIプログラム / 東京オリンピック・パラリンピック / クレンブテロール / ディープ・ラーニング |
研究実績の概要 |
新型コロナ(COVID-19)感染の世界的流行により、研究活動が大きく停滞した。国内のICT活動の急伸により、AI用コンピューターの納入が遅れた上に、情報収集のための学会参加(移動制限)や研究補助者の獲得が行政の指示により制限されたため、多くの予定が実施できなかった。同時に、2020年度開催予定の東京オリンピック・パラリンピックが一年延期となり、ドーピングに関する情報量が減少した。 今年度は取り敢えず、Pythonを筋肉増強債として用いてAI用の初期プログラム作成を行い、データベースの作成を行った。特に、筋肉増強剤としてドーピング規制薬として指定されているクレンブテロールの治療薬としての有効性を確認しつつ、筋線維の特性の変化を誘導すると言うメカニズムを理論的に解析する方法を検討した。これの情報を更に、医学および薬学で使用されているビッグデータ解析の情報(桐生、2020)と合わせて、ディープ・ラーニングにより総合的に解析を行う基盤を準備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、新型コロナ(COVIC-19)の感染拡大と言う未曽有の事件が発生したため 当初予定していた機器の購入が品不足のため10月入荷と大幅に遅れ、研究開始が遅れてしまった。また、感染拡大の防止と言う大学機関の制約があり、研究補助のための協力者を雇用する事ができない状況になってしまった。更に、交通費を使用する研究に関する情報収集のための学会参加や資料収集のための活動も行政による移動自粛の勧告により、制限せざるを得ず十分な活動を行う事が出来なかった。 しかし、機器の購入が完了後は、高次機能としてのディープラーニングを可能にするシステム設計とプログラミングの開発に専念した。今年度は、AIの初期段階としてデータベースを確保するためにPythonでのプログラミング設計を行った。これまで行われている研究データを医学研究資料として活用できるPubMedとMedlineを利用して、Pythonで自動取り込みを可能にするプログラムの構築を行った。
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今後の研究の推進方策 |
AIを用いた研究は、新型コロナ感染対策としても重要視されている。特に治療用薬物の検索では重要性が増している。従って、本研究ではそれらの情報も注視しながら、薬物と遺伝子多型の関係を明確化し、薬物の適正利用における注意点を整理する。 今年度開催予定の東京オリンピック・パラリンピックで発生する可能性のあるドーピング対象事案についての情報収取を積極的に行い、薬物乱用とドーピング違反についての注意喚起を行う。すでに、世界的な陸上選手が行動報告を怠ったことからドーピング規制に違反していると言う事で、オリンピックへの参加が不許可となった事など、スポーツ選手の行動規範など注意点は多い。 新型コロナ感染対策対策としてワクチン接種以外にも、免疫力の向上が重要視されていることから、免疫機能を促進する薬物が注目されている。例えば、ステロイドホルモンの一つのグルココルチコイドがその例である。グルココルチコイドの分泌の乱れが逆に免疫力を低下させる場合もあり、その概日リズムとの関係が重要となる。この薬物はエネルギー代謝を活性化したり、抗炎症作用があるため、けがをした時の治療薬として使用されるため要注意である。2022年からは投与経路の如何にかかわらず、使用禁止となる。従ってスポーツ選手はケガをしないようにオーバートレーニングを含めて自己管理の能力が必要となることをAIでの情報解析から明示したい。 筋肉増強剤として規制されているクレンブテロールの作用機序について、基本的な論理性についての解析方法が定まりつつあるので、それらの情報解析の方法をディープ・ラーニングにより更に深化させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2,214円と言う額であるが、次年度に有効活用したいので無駄な0円調整を避けた。 翌年度は、新型コロナ感染対策が大幅に進むと予測されるので、情報収集や学会参加での旅費使用と研究補助者の活用を行い、遅れている研究を挽回する為に研究費を使用する。
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