研究課題/領域番号 |
20K11325
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
北浦 孝 福山大学, 経済学部, 教授 (00143868)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | COVID-19 / Python / AIプログラム / ChatGTP / シンソール / ケニアのドーピング問題 / ディープ・ラーニング / Bard |
研究実績の概要 |
新型コロナ(COVID-19)感染の世界的流行は今年度も継続し、研究活動は大きく停滞した。さらにロシアによるウクライナ侵攻は、世界の政治状況のみならずスポーツ界にも大きな影を落としている。しかし、その様な状況下でも昨年末はワールドカップサッカーが実施され、今年3月には野球のWBCが実施されて、多くの人が勇気づけられた。これらの大会ではドーピング問題もなく、クリーンな大会として高く評価された。ドーピング薬の中のぜんそく治療薬のクレンブテロールに関する研究結果の一部は、筋肥大を誘発する事から萎縮した筋の回復効果を有するものとして共著論文として公開した。 ただ注意すべき事柄が最近生じている事例が散見されてもいる。直接的なドーピング薬ではないが、筋肥大を過大評価することからボディビルダーの中に、Synthol(シンソール)と言う油、ベンジルアルコール、リドカインで構成されている薬物を筋肉に注射することで筋肉美を作り出す事が明らかであるが、副作用が多種多様であり、神経の損傷、肺の油塞栓、肺動脈の閉塞、心筋梗塞、脳卒中、および感染性合併症を引き起こす可能性が言われている。薬物の適正使用の観点から看過できない事柄である。 新型コロナ問題が徐々に解決されるにつれて再開されるスポーツ大会が増加することから今後のドーピング規制薬物に対する情報収集と防止対策の準備は、来年のパリオリンピックに向けた重要な活動と思われる。この為に昨年暮れから始まったマイクロソフト社によるChatGPTを使ったディープラーニングによるAI利用はこれまでのPython プログラムの改善をもたらす可能性が示唆された。それは更にBingとして進化する一方、Google社のBardの開発にも拍車をかけることが予測されている。それらの一部は、既にPerplextyやLabml.AIとして活用されてきており、今後の研究の進展が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度も、一昨年度以来継続している新型コロナ(COVIC-19)の感染拡大は収まらず、多くの教育・研究活動に支障をきたしている。しかし、完全ではないものの一時的に移動制限が解除される機会が増え、試合会場での集団的な応援も徐々に許可がされつつある。それでも、学会等はオンラインの遠隔開催が主流となり、対面での開催が行われず、交通費を使用する研究に関する情報収集のための学会参加や資料収集のための活動が、規制され、十分な活動を行う事が出来なかった。そこで、情報収集のための人的サポートを得て、昨年度に引き続いて高次機能としてのディープラーニングを可能にするシステム設計とプログラミングの開発と改善に専念した。特に昨年末から始まったマイクロソフトのChatGTPと言うAI用のソフトが公開され、その有効性を確認することが急務となった。今年度は、これまでの研究を生かし、AIを活用してデータベースを確保するためにPythonでのプログラミング設計の改良を行った。これには、ChatGTPの有効活用が可能であることが分かり、これまで行われてきた研究データをWeb解析だけでなく医学研究資料として活用できる汎用性の高いプログラムの構築と改善を引き続き行い進行中である。更にGoogle社の新しいBardというAIプログラムの有効性も同時に検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
最近はマラソンなどの持久性スポーツでの高速化が進んでいるが、その中で多くの優秀な選手を送り出してきたケニアなどの選手のドーピング薬使用が話題となっている。これらの中では、造血作用に関係するEPO(エリスロポエチン)に関するものが多く、貧血との関係から注意が必要である。ディープラーニングの技術が急速に進んでいることからマイクロソフト社のChatGTPやBingの活用とGoogle社のBardの活用は研究分野だけでなく、薬物の適正使用と新しいドーピング薬に対する防止策の準備上極めて重要な機能を発揮する事が期待出来る。また、海外への移動規制が大きく緩和されてきたので海外での学会参加による新しい情報の収集が可能であり、大谷選手を始めとした日本人の多くの選手が活躍する分野での情報収集は、新型コロナ問題で遅れた研究成果の取得を回復させる大きなきっかけとすることが可能である。次回のパリオリンピック大会に向けた情報収集と分析に集中し成果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
1,182,563円と言う額であるが、最終の次年度に有効活用したいので無駄な0円調整を避けた。 翌年度は、新型コロナ感染対策が緩和されると予測されているので、これまで以上に情報収集や国際学会等への参加での旅費使用と研究補助者の活用を行い、遅れている研究を挽回する為に研究費を使用する。
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