研究課題/領域番号 |
20K11327
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
吉田 祐子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30321871)
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研究分担者 |
岩佐 一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (60435716)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高齢者 / 精神的健康 / 身体機能 / 身体活動 / 炎症 |
研究実績の概要 |
高齢期の精神的健康を良好に保つことは健康長寿の達成に欠かせない要因の一つである。高齢期の精神的健康の低下により、身体的な不活動や生活機能の低下がおこりやすい。また、精神的健康の低下は体内の炎症を伴い、心血管系疾患の発生など不健康な状態を引き起こす。これまでの研究により、高齢者の身体活動が精神的健康を良好に保つことや、身体機能が高いと炎症が低いことを報告している。本研究では、高齢期者の身体活動や身体機能と体内の炎症との関連およびこれらの関連が精神的健康にどのように影響するのかその背景について検討し、高齢者が精神的健康を良好に保つための方策を提案する。 本年度は、以下の二点を行った。1)地域に在住する70歳代以上の高齢者を対象に実施されたコホートデータを用いて、炎症指標と筋力や歩行機能などの身体機能の関連について検討を行った。その結果、炎症が高いほど筋力が弱く、歩行機能が低い傾向にあり、この関連は様々な要因を調整しても有意な関連であった。これらの結果は第76回日本体力医学会大会にて報告した。2)前年度に新型コロナウイルス感染症の流行により延期された追跡調査を実施した。地域在住高齢者を対象に実施されている長期縦断研究の参加者を対象に健康調査を実施し、精神的健康、握力や下肢機能などの身体機能、炎症指標に加え、デモグラフィック、体格、既往歴、ライフスタイルなどに関するデータの収集を行った。現在、収集したデータの整理を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行により、追跡調査の実施が後ろ倒しとなり計画の変更が必要となったため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き追跡調査で収集したデータの整理および解析を進める。追跡調査については、新型コロナウイルス感染症の流行の状況をみながら、調査の実施を検討し、追加データを収集する予定である。また、引き続きシステマティックレビューの実施、既存資料を用いた身体活動、精神的健康、炎症との関連などについて解析し知見をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の流行により予定していた初年度の会場調査の中止や、今年度の調査費用の一部を他予算で対応したことから、次年度使用額が生じた。次年度の調査実施の際に、検査委託費、調査員・データ整理等の人件費を使用予定である。
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