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2020 年度 実施状況報告書

競技スポーツにおけるコーチングと集団レベルの心理的変数に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K11328
研究機関山形大学

研究代表者

池田 英治  山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (70726877)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードcoaching / collective efficacy / cohesion / motivational climate / empirical research
研究実績の概要

集団のスポーツにおいては,パフォーマンスを如何に評価するのかが課題であるが,われわれは,これまでの研究において,それが,「Collective Efficacy尺度」によって把握できることを実証した(Ikeda et al., 2014,池田,2019).本研究では,その尺度を用いて,バスケットボール・チームのパフォーマンスを評価し,それと有意な関係性を有すると考えられる集団変数(「集団凝集性」と「動機づけ雰囲気」)が,重要な他者であるコーチ自身の「コーチング効力感」と,観察と質問紙によって評価された「コーチング行動」という個人変数とどのような関係性を有するのかについて,実証的に検討を行うことを目的とする.
2020年度においては,理論的研究と使用する尺度についての予備的検討を行った.具体的には,“collective efficacy”“cohesion”“motivational climate”“coaching behavior”等をキーワードとして文献を収集し,その精読を通じて,使用する尺度について検討した.研究計画段階において使用を予定していた尺度のうち,Perceived Motivational Climate in Sport Questionnaire(PMCSQ)とLeadership Scale for Sport(LSS)は,研究代表者の経験上,尺度の信頼性・妥当性に問題があると考えられたため,予備的な質問紙調査を行うこととした.それら2つの尺度に関して,研究代表者らが翻訳したものをバック・トランスレーションし,準備した質問項目について,高校生のスポーツ選手を対象として2020年11月から同年12月にかけて調査を実施した.因子分析の手法を用いて検証を行った結果,LSSの“Autocratic Behavior”因子の信頼性が基準を満たさないことが明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度の研究課題は,理論的研究と使用する尺度についての予備的検討を行うことであった.研究実績の概要において記載したとおり,Perceived Motivational Climate in Sport Questionnaire(PMCSQ)とLeadership Scale for Sport(LSS)については,予定通り,尺度の信頼性・妥当性を検証するための質問紙調査を実施することができた.理論的研究を行う中で,上記と同様に質問紙調査することが求められると考えられたPerceived Motivational Climate in Sport Questionnaire-2,Coaching Feedback Questionnaire,Coaching Efficacy Scaleについては,次年度での実施を行うことを考えている.

今後の研究の推進方策

2021年度は,Ikeda et al.(2014)と池田(2019)の質問紙を用いて,Collective Efficacyを調査する.また,集団環境質問票(内田ほか,2014)を用いて集団凝集性を測定し,動機づけ雰囲気についてはPMCSQ(Seifriz et 1992)あるいはPMCSQ-2(Newton et al., 2000)の翻訳版を,コーチング行動(CB)に対する選手の認知は,LSS(Chelladurai and Saleh 1980)あるいはCFQ(Amorose and Horn, 2000)の翻訳版を用いて評価する予定である.調査対象は,全日本大学バスケットボール連盟に所属する選手とする.研究計画段階においては,調査期間を「第1期:2022年3月上旬~同年7月下旬」,「第2期:2021年8月上旬~同年12月下旬」としていたものの,新型コロナウィルス感染症の影響により,年間の行事予定等が変更になったことから,現実的に実施可能な日程について検討しているところである.
さらに,コーチの練習中におけるCBの調査(行動の観察・記録)とコーチング効力感尺度(Myers et al., 2005)の翻訳版を用いて,指導者自身が抱くコーチとしての効力感を測定する.調査対象は,全日本大学バスケットボール連盟に所属する指導者とする.調査期間は,上記の「第2期」と同時期を予定している.

次年度使用額が生じた理由

2020年度予算計画に計上していた研究費については,2021年3月に実施予定であった調査が実施できなかったために,物品費(ビデオカメラ,ワイヤレスマイク,外付けHDD等),調査に係る旅費,謝金・人件費が予定通り執行できなかった.また,学会活動や研究打ち合わせ等においては,新型コロナウイルス感染性の影響により,対面での実施が困難な状況であったことから,それらに係る費用を支出するに至らなかった.
2021年度においては,「物品費」に関しては,ビデオカメラ,ワイヤレスマイク,外付けHDD等の購入に充てる予定である.また,「旅費」に関しては,研究打ち合わせ,調査研究と成果発表(年2回)に充てる予定である.最後に,「人件費・謝金」および「その他」に関しては,申請書に記載のとおり,調査協力者への謝金,調査補助費,論文投稿費,英文校正費等に充てる予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Causal Relationship between Collective efficacy, Cohesion and Coaching in Basketball Teams2020

    • 著者名/発表者名
      Ikeda E, Uchiyama H, Ikeda M, Yonekawa N
    • 学会等名
      The 2020 Yokohama Sport Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Association of Physical Activity with Sleep and Mental Health in Adolescents: Cognitive Factors of Physical Activity2020

    • 著者名/発表者名
      Asano S, Ikeda E
    • 学会等名
      The 2020 Yokohama Sport Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 包括的自己効力感尺度の開発と信頼性・妥当性の検討:学生アスリートと一般学生を対象として2020

    • 著者名/発表者名
      池田英治,廣田信一
    • 学会等名
      日本スポーツ心理学会第47回大会
  • [学会発表] 包括的自己効力感とコーチング行動との関連:尺度開発の再検証をとおして2020

    • 著者名/発表者名
      池田英治,廣田信一
    • 学会等名
      第32回日本コーチング学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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