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2022 年度 実施状況報告書

運動誘発性酸化ストレス反応の新規調節因子としての水素分子の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 20K11332
研究機関山梨学院大学

研究代表者

小山 勝弘  山梨学院大学, スポーツ科学部, 教授 (30313779)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード水素分子 / 酸化ストレス / 経鼻吸入 / 高強度運動 / 炎症反応
研究実績の概要

本研究計画では,長く「不活性ガス」と考えられてきた気体状の水素分子の生理作用に着目している.喫煙,紫外線照射や激しい運動などによる過剰な活性酸素種の生成は,生体にとっては有害な酸化ストレスになる可能性がある.しかし運動トレーニングは,意図的に酸化ストレスに生体を曝すことによって適応応答を生み,様々な予備力(体力や抵抗力,運動パフォーマンス等)を高めるものであり,酸化ストレスは完全に排除されるべきものとは言えない.そこで水素分子の有する抗酸化作用に着目し,「水素分子は高強度運動に起因して生じる過剰な酸化ストレスを軽減するが,一方では,運動刺激に対するポジティブな生体応答を積極的に引き出す酸化ストレスの調節因子として機能する」という仮説を検証することが本研究の目的である.
しかしながら新型コロナウイルス感染症の蔓延等による影響を受け,2022年度までは実験の実施に至ってはいない.その間,研究デザインを再考し,運動負荷方法や測定指標について吟味してきた.特にヒトや動物モデルを用いた先行の文献渉猟の結果,水素分子の作用機序を追求する観点を加える計画とした.具体的には,運動によって誘発される炎症反応や酸化ストレスに関与する好中球の活性化状態を,好中球細胞外トラップやミエロペルオキシダーゼ活性の挙動等から推察することを企図し,計画の修正を行った.これにより水素分子の選択的抗酸化作用を検証すると共に,水素分子が過剰な炎症性反応を制御する可能性についても論及することを目指す.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2022年度当初には,新型コロナウイルス感染症の収束の兆しが見られたために,当初の研究計画通りに,ヒトを対象にした実験的介入試験を行う計画を立てた.しかしながら夏季以降も,感染の波が周期的に再拡大する状況が継続したために,ヒトを対象にした侵襲を伴う実験研究を実施することができなかった.
2023年度は,当該感染症の感染症法上の扱いが変更になるため,所属機関内の研究倫理審査を経て,ヒトを対象とした検討を実施する予定である.

今後の研究の推進方策

すでに作成済みの研究計画書の細部について,最終的な調整を行い,所属機関における研究倫理審査委員会の承認を取り,速やかに研究を開始する.2024年度に実施予定の動物モデルによる検証の準備も同時に進めていき,当初計画を維持する予定である.

次年度使用額が生じた理由

【現在までの進捗状況】に示すように,2022年度も新型コロナウイルス感染症の影響によって,ヒトを対象にした具体的な実験に着手することができなかった.そのため,補助事業期間の延長を申請し,その承認を得た.2023度にはヒトを対象にした研究を開始し,2024年度以降の動物モデルを用いた研究に展開していく.これまでに請求した助成金の残額は2023年度以降に繰り越し,承認された延長期間に使用していく計画である.

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公開日: 2023-12-25  

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