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2021 年度 実施状況報告書

テニスにおける打球のスピードと回転数がラリーの展開に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K11338
研究機関鹿屋体育大学

研究代表者

高橋 仁大  鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (50295284)

研究分担者 村上 俊祐  鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 講師 (80835299)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードゲームパフォーマンス分析 / トラックマン / 打球スピード / 打球の回転数
研究実績の概要

本研究の目的はテニスのゲームにおける前後の打球の相互の関係性について,打球のスピードと回転数から明らかにすることである.2021年度は,これまで研究代表者らが取得してきた打球データを用いて,1stサービスにおけるスピードと回転数とポイント取得との関係について詳細な分析を行った.また,それらの知見を実際の指導場面に活用した研究に取り組んだ.
サービスのスピードと回転数とポイント取得との関係についての分析は,ATPチャレンジャー大会に出場した右利きのプロテニス選手20名のシングルスの3セットマッチ14試合を対象とした.その結果,1stサービスのスピードと回転数がポイント取得率に影響を与えており,その傾向はコースによって異なっていた.デュースサイドからのワイドへのサービスでは,回転数が多くなるほどポイント取得率が高くなる傾向にあった.デュースサイドからのセンターとアドサイドからのワイドへのサービスでは,スピードが速くなり回転数が少なくなるほど,ポイント取得率が高くなる傾向にあった.アドサイドからのセンターへのサービスでは,スピードと回転数に一定の傾向は認められなかった.
指導場面に活用した研究では,大学女子選手を対象にサービスのスピードおよび回転数の向上を目指した取り組みの内容について,事例的に検討した.およそ5ヶ月の取り組みを通じて,1stサービスにおけるスピードの向上には有意な変化が認められたが,2ndサービスにおける回転数には有意な変化は認められなかった.Koya et al. (2022)の研究からも,サービスのスピードの向上には体力要素との関連があることが示されたが,回転数の向上には体力要素との関連は見られなかったことから,回転数の向上には技術要素が関連していることが考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度も2020年度と同様にコロナ禍のため,当初予定していた実際の大会におけるデータ収集が,大会の中止等の理由により,実施することができなかった.そのため,2020年度と同様に研究代表者らがこれまで蓄積してきた打球データを新たな観点から分析する内容で研究を進めた.2022年度もコロナ禍とそれに伴う大会等の実施ならびに大会会場でのデータ収集の可否を踏まえて,慎重に研究を進める予定である.

今後の研究の推進方策

当初の計画では,2020年度から2021年度にかけて,研究代表者らがこれまで取得してきた打球データを用いて,打球のスピードと回転数がラリーの展開やプレー内容とどのように関連しているかについての詳細な分析を行うこととしていた.この点については,この2年間に概ね行ってきたものの,コロナ禍によりデータ分析への協力依頼も進まなかったことから,2022年度も継続して進めていく.特にサービスとリターンの局面とそれ以降の局面に分類し,ラリー中の各打球のデータとラリーの展開との関連,打球データとラリー毎のプレー内容との関連について考察を行う.これらの考察にあたっては,十分なテニスのコーチング経験を有する研究分担者と共同で行う. また実際の大会におけるトラックマンを用いての打球データの収集については,大会の実施状況や大会会場でのデータ収集の可否を踏まえて,慎重に研究を進める予定である.なお大会会場でのデータ収集が不可能な状況である場合や,研究協力者であるヨネックス株式会社の協力を得ることも難しい場合は,研究代表者らが所有するトラックマンとラケット装着型センサーなどを用いて,対戦する相互のプレーヤーのデータを収集する形で研究を進める予定である.2022年度中にこれらのデータ収集ができた場合に,ラリー中の前後の打球の関係性について,2021年度までに得た知見も踏まえて考察を行う.

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため,当初計画していた大会会場でのデータ収集や国内学会および国際学会での成果発表に伴う旅費などを執行することがなかったことに加え,新たなデータ収集がなく,これまでに収集した打球データを基にした分析を進めたことから,データ処理及び分析用のコンピュータを購入する必要性がなかったため.
2022年度に繰り越した使用額は,当初2020-2021年度に予定していた実際の大会におけるデータ収集に伴う旅費や成果発表に関する旅費及び経費,またデータ処理及び分析に用いるコンピュータの購入等に使用することを計画している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] テニスにおける1stサービスのスピード及び回転数とポイント取得率の関係-サービスコースに着目して-2022

    • 著者名/発表者名
      柏木涼吾,村上俊祐,岡村修平,沼田薫樹,岩永信哉,髙橋仁大
    • 雑誌名

      九州体育・スポーツ学研究

      巻: 36(2) ページ: 1-12

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The relationship between service performance and physical strength focusing on speed and spin rate in Japanese elite junior tennis players2022

    • 著者名/発表者名
      Nahoko Koya, Tetsu Kitamura, Hiroo Takahashi
    • 雑誌名

      International Journal of Racket Sports Science

      巻: 3(2) ページ: 10-20

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 大学女子テニス選手を対象としたサービスのパフォーマンス向上の取り組み事例2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋仁大,田代翔,中村和樹,柏木涼吾,岡村修平,村上俊祐
    • 学会等名
      日本コーチング学会第33回学会大会大会
  • [学会発表] 打球データを活用したコーチングの実践-サービスの指導事例-2021

    • 著者名/発表者名
      村上俊祐,柏木涼吾,岡村修平,田代翔,中村和樹,果子翔,髙橋仁大
    • 学会等名
      第33回テニス学会

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公開日: 2022-12-28  

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