本研究ではVR技術およびAR技術を用いて,自己のスポーツフォームを矯正するトレーニングシステムを開発することを目的としている.令和5年度はそのトレー ニングシステムで使用する教示用アバターを表示するシステムの制作の改良を行なった. VRでの表示からARでの表示に切り替え,AR機器も開発の終了が発表されたHoloLensからMagicLeap2に切り替えて開発を行なった.前年度までの研究で問題となっていたAR機能だと全身の動きの把握が難しい点については,教示用アバターを自身に重ねる用と,常に前方に表示する用の2つ用意することで解決を図った. 使用者にモーションキャプチャシステムの準備が難しい点は安価な慣性センサ式モーションキャプチャシステムであるSonyのmocopiの導入を検討した.mocopiと別の慣性センサ式モーションキャプチャシステム,光学式モーションキャプチャシステムでの比較を行い,mocopiではまだ精度に不安があることが分かったため,本研究ではAR機能によってトレーニングを行う機能のみとした.慣性センサ式モーションキャプチャシステムのmocopiの精度評価については令和5年度人間工学会東海支部研究大会において発表を行った. AR機能を用いたシステムの操作ではコントローラを必要とせずに操作できるようにハンドトラッキング機能によって操作できるようにし,教示用アバターを使用者の体格に合わせて調整する機能も実装した.提案システムについては情報処理学会第37回デジタルコンテンツクリエーション研究発表会にて発表予定である.
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