スポーツ障害の多くを占める腱付着部の障害は周囲にある脂肪組織などの体内に存在する構造が機能のみならず病態に関連していると考えられ、足関節の後方に走行する長母指屈筋腱も隣接する脂肪組織が機能および病態に関与していることが分かった。 臨床の場では運動療法が腱付着部障害の効果的な治療法として評価されているが、そのメカニズムが不明とされている。本研究の結果からは、スポーツを含めた日常的活動のみでは障害の発生予防に必要な筋力および伸張性を獲得することはできず、障害の要因となっている部位(アキレス腱障害の下腿三頭筋、足部内在筋など)を特異的に鍛えることが重要である可能性があることを示すことができた。
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