研究課題
基盤研究(C)
本研究では、軽強度の有酸素運動がヒトの運動抑制機能にどのような影響を及ぼすのか検討した。実験では、ヒトの運動抑制過程を観察する上で最適な方法の一つであるgo/no-go課題を用いてNIRSによる測定を行った。その結果、軽強度で有酸素運動を行った後には運動抑制に関連する脳部位の酸化ヘモグロビン濃度が運動前と比較して増大することが分かった。酸化ヘモグロビン濃度が増大したことは、軽強度の有酸素運動がヒト運動抑制機能に効果的な影響を与えることを示唆するものである。
運動生理学
これまで、適度な強度の運動が前頭葉の持つ認知機能などに効果的な影響を与えることを示す研究が多く行われてきた。本研究では、高齢者や障害を持っている方等も遂行できるような軽強度の運動が前頭葉の持つ機能の一つである運動抑制機能にどのような影響を与えるか示したものである。軽強度の運動においても脳に対して、効果的な影響を与えることを示唆することができた。