研究課題/領域番号 |
20K11354
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
横澤 俊治 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 先任研究員 (80400670)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 衛星測位システム(GNSS) / モーションキャプチャーシステム / トラッキングシステム / 精度検証 / 慣性センサー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、身体座標値および速度を計測する最新デバイスの精度を検証し、各デバイスのタイプ別適用範囲や留意点を提示することであった。今年度はモーションキャプチャーから得られた身体分析点等の座標値の検証実験を行った。 光学式近赤外線カメラを用いたモーションキャプチャーシステム(VICON MX、Vicon Motion Systems社製)を用いて、これらの反射マーカーから3次元座標データを収集した。同時に、加速度・角速度・地磁気を搭載したセンサが両手、両前腕、上腕、両足、両下腿、両大腿、胸郭、骨盤、頭部に取り付けられたスーツ(Xsens MVN、Xsens社製)を被検者に着用させた。Xsensのシステムに含まれている同期装置を用いてVICONと厳密に同期した。データ取得後、VICONと同様の身体部分点の計測点をセンサデータから推定した。 VICONとXsensの座標点は概ねよく一致していた。なお、X軸座標については、時間経過にともない、若干差が広がっていたが、ドリフトによる影響というよりもむしろ各座標系の設定に若干ずれが生じており、それが走る方向のずれとして現れていたためと考えられる。VICONでは、左右上前腸骨棘間の距離がほぼ一定であったことから、座標点の計測精度は非常に高かったものと考えられる。一方、Xsensでは、ばらつきがみられたものの、そのばらつきも約1cm以内におさまっており、VICONほどではないものの、計測精度は高かったものと思われる。VICONでは、計測範囲の隅精度が悪くなる場合があったが、センサ型システムでは、(特にデータロガー型では)こうした問題を回避できる利点があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ここまで当初の予定通りにデータ収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は統計処理を通じて適用範囲を整理し、各デバイスタイプ別に利点や留意点をガイドラインとしてまとめ、日本バイオメカニクス学会に対して提言する。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定だった国際学会が新型コロナの影響で中止となった。次年度の当該学会もしくは類似学会で発表する予定である。
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