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2021 年度 実施状況報告書

超音波診断装置を用いた、筋損傷の診断及び治療の質的向上を目指した基礎研究。

研究課題

研究課題/領域番号 20K11360
研究機関大阪大学

研究代表者

金本 隆司  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20512049)

研究分担者 中田 研  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00283747)
前 達雄  大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (10569734)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード筋損傷 / 超音波診断装置 / 動物モデル
研究実績の概要

本研究では、筋損傷の診断に極めて有用な超音波診断装置(エコー)の画像所見と組織学的・分子生物学的評価を関連付けることで、治癒判定の質的向上、及び介入法の選択と適切な復帰及び再発予防の指導の基礎となる知見の構築を目指したものである。当初対象とする筋肉を大腿四頭筋を中心にしていたが、再現性などを考慮して、前脛骨筋を主たる対象として、実験を継続中である。
①筋損傷モデル作成の確立とエコー画像評価の定量化:頻用される薬剤誘導性筋損傷モデルに関して、エコーガイド下薬液注入を基本手技として、病変の組織学的所見とエコー画像の比較を行った。ラット前脛骨筋筋腹への薬剤注入により、注入量に依存した病変の作成が可能であった。横断面での組織学的な病変領域面積と、エコーによる筋パターン異常領域面積が相関することが示された。筋線維再生の過程におけるエコー輝度変化に関して、経時的に有意な変化があることを示した。筋線維の壊死部には、基底膜の構成要素であるラミニンタンパク質の局在は持続しており、基底膜の変化はエコー輝度に反映されにくいことがわかった。本モデルの筋線維壊死部にみられる低エコー部は、マクロファージの集積部と一致していた。これらの結果に関して、現在英語論文の投稿準備をすすめている。
②薬剤誘導性筋損傷モデルと外傷性筋損傷モデルの比較:組織学的評価、エコー画像評価、遺伝子発現評価を行い、得られた結果を検討中である。神経刺激による筋収縮による筋出力計測の系を立ち上げ、活用中である。
③筋損傷への介入として、Whole Body Vibraton・トレッドミルによる走行負荷を検討中である。患部に対する薬液注入に関しては、筋損傷のタイプによって、その分布が異なるデータが得られている。ターゲットとする分子・シグナル経路を探索中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大型動物以外でのエコー画像の報告は多くはない。ヒトと比べて対象臓器が大きくないことが理由の一つであり、本研究でも、筋損傷の定量評価の確立をマイルストンの一つとした。まずは頻用される薬剤誘導性筋損傷モデル(カルジオトキシン)による再現性・定量性の高い手法を確立することができた。そして筋骨格を対象とする運動器エコーの重要な要素である筋パターンの変化の領域・エコー輝度に関する定量化を試みて、一定の結果を得た。実臨床で生じる筋損傷(筋挫傷・肉離れ)に関する実験・評価手法の習熟が得られた。これらの成果をもとに、外傷性筋損傷の診断・治療の質的向上を目的とした超音波診断装置の活用方法に関する新知見を得ることを目的とした研究を継続する。

今後の研究の推進方策

おおよそは、研究計画調書にそった研究推進を予定する。
今後の方策は以下の2つを主眼とする。
①「薬剤誘導性筋損傷モデルと外傷性筋損傷モデルの比較」による外傷性筋損傷の組織障害及び組織治癒に関する分子機構のスクリーニングと機能解析。
②「筋損傷への介入効果の検証」
いずれも、動物個体を評価の中心として用いて、必要時には組織培養・細胞培養での解析を予定する。

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公開日: 2022-12-28  

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