研究課題/領域番号 |
20K11372
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
杉崎 範英 明治学院大学, 教養教育センター, 准教授 (10508287)
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研究分担者 |
土江 寛裕 東洋大学, 法学部, 教授 (60458479)
小林 海 東京経済大学, 全学共通教育センター, 特任講師 (10586762)
高井 洋平 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (20574205)
吉本 隆哉 皇學館大学, 教育学部, 助教 (20756465)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 力ー速度関係 / スプリント走 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、陸上短距離走選手を対象として、グラウンド走における力ー速度関係を明らかにし、その個人差とスプリントタイムやレースパターンといった競技パフォーマンスとの関係を明らかにすることを目的としている。初年度(令和2年度)は、グラウンドでのスプリント走で使用可能な負荷可変牽引装置の開発を行い、仕様の検討、グラウンド走における力ー速度関係測定の実施を行う予定であったが、コロナ禍の影響により開発が困難となったため、既存の製品(1080Sprint、1080Motion社製)を購入したうえで、予備的実験を行った。実験は、大学陸上短距離選手26名(20.5±1.3歳、174.8±4.8cm、66.5±5.0kg)を対象として、負荷可変牽引装置を用いたスプリント走(~30m)を行った。スプリント走は、屋内の60mトラックにて、スパイクを着用して行った。負荷の設定は3kg~13kgの範囲で4~5負荷を選択し、各試行で、距離、速度および力の時系列データを取得した。時系列データから、牽引負荷-速度関係を算出するためのプログラムを、数値計算ソフト(MATLAB、Mathworks社)を用いて開発し、分析を行った。 分析の結果、牽引負荷装置を用いたスプリント走における牽引負荷-速度関係は、直線となることが確認された(R2>0.9)。また、牽引負荷と速度の積で算出したパワーは、個人差がやや大きいものの、体重に対する一定の割合で最大となるとなることが確認された。 また、上記牽引負荷装置を用いた試行のほかに、無負荷での60mスプリント走を行い、その際の各種パラメータ(スプリットタイム、速度等)を取得した。現在、これらのパラメータと負荷可変装置で得られた力―速度関係との関係を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、装置の開発ができず既製品で代用したこと、および選手及び研究者の活動が制限され、測定の機会が限られたことによる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、牽引装置を用いて測定したスプリント走の力ー速度関係の特徴について、100m走パフォーマンスとの関係や、レースパターン(前半型、後半型)との関係について検討する。 また、無負荷でのスプリント走から力ー速度関係を算出する方法との比較検討を行う。 併せて、負荷を課した際の走動作の変化について、バイオメカニクス的な分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
負荷可変牽引装置とともに使用するケーブル類(電源ケーブル、コードリール等)の納品が年度内に間に合わなかったため、次年度に購入する。 また、人件費・謝金については、コロナ禍の影響により、測定実施が限られたため未使用分が生じた。今年度予定していた測定を次年度に行うため、その際に使用する予定である。
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