研究課題/領域番号 |
20K11387
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪精神医療センター(こころの科学リサーチセンター) |
研究代表者 |
中村 雪子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪精神医療センター(こころの科学リサーチセンター), こころの科学リサーチセンター, プロジェクトチームリーダー (90548083)
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研究分担者 |
島田 昌一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20216063)
小山 佳久 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40397667)
近藤 誠 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50633012)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | セロトニン3受容体 / 内因性物質 / 抗うつ効果 / 運動 |
研究実績の概要 |
運動による抗うつ効果とSSRI (selective serotonin reuptake inhibitor) による抗うつ効果は全く違うメカニズムである。SSRIによって細胞外のセロトニンが増加するが、運動によっても同様にセロトニンが増加する。SSRIでは5-HT1A, 運動では5-HT3Aという全く別の受容体を介するのにも関わらず、それらを刺激するものはどちらもセロトニンということになっている。5-HT1A受容体も5-HT3A受容体もどちらも神経新生の行われる海馬歯状回に発現があり、局在が近接している中で、広範囲に増えるセロトニンが一方では5-HT1Aに、もう一方では5-HT3受容体と特異的に活性化させるのは非常に難しい。5-HT1A受容体のEC50は、nMレベル、5-HT3受容体ではμMレベルである。つまり5-HT3受容体を活性化させるためには、2オーダー以上のより多くのセロトニンが必要である。運動によってSSRIよりも大量のセロトニン増加が認められるなら5-HT3受容体を特異的に活性化させるということも考えられるが、SSRIに比べ、運動によるセロトニンの増加量の方が圧倒的に少ない。つまり、同じセロトニンがどのように5-HT1A受容体、5-HT3A受容体の活性化を区別しているかについては全く不明である。この点に着目し、5-HT3受容体を特異的に活性化させる内因性物質が存在するのではないかという点に着目した。注目する内因性物質を解析する中で、単独では5-HT3受容体を活性化させることができないような低濃度のセロトニンでも、注目する内因性物質を同時投与することで5-HT3受容体を活性化させることが明らかとなったが、実際にクリーンな施設で飼育されているマウスにおいてはその内因性物質を検出することができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
保有している遺伝子組換動物の施設間の移動に際し、個体から凍結胚にしたが、復元に時間が予想以上にかかったため、動物試験が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
内因性物質として数々の論文で報告されてきた物質であるが、我々が最新の機器を使用しても検出することができなかった。おそらく以前の生育環境よりもクリーンな環境で生育していることが一因として考えられるため、その点に注目し今後検討をする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子組換え動物の胚からの復元が予想より時間がかかったため、その動物を用いた動物試験が次年度に延期しなければならなかった。それに伴い試験に必要な費用を次年度に使用する予定である。
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