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2022 年度 実施状況報告書

カーボローディングにより貯留する体水分の暑熱対策効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K11390
研究機関宮崎大学

研究代表者

塩瀬 圭佑  宮崎大学, 教育学部, 講師 (70708106)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードカーボローディング / 体水分量 / 深部体温
研究実績の概要

数日間に及ぶ多量の糖質摂取(カーボローディング)により体水分量が増加することはよく知られているが、貯留された体水分が運動時に及ぼす影響については未だ明らかでない。本研究の目的は、カーボローディングに伴い生じる体水分の貯留が暑熱対策効果を有するかを検討することである。
令和4年度は、カーボローディングとクレアチンローディングによる体水分量の貯留が常温環境下での運動時の体温動態へ及ぼす影響について検討した。本研究では若年健常男性を対象とした。対象者は平常食に加えて6g/kg 体重/日の炭水化物を3日間摂取した。カーボローディング前後において、体組成の評価と常温環境下での運動負荷試験を行った。体組成の評価には生体電気インピーダンス法を用いた。運動負荷試験では、室温21℃の環境下で60%VO2max強度の持久性運動を40分間実施した。運動負荷試験中は、経時的に温熱感覚、深部体温を測定した。深部体温の測定には直腸温を用いた。
本研究の結果、カーボローディングにより対象者全体の体重、総水分量に増加は認められなかった。一方、8名の対象者中7名の対象者において細胞内液量の増加が認められた。細胞内液の増加が認められた7名では、カーボローディング後に運動時の深部体温、温熱感覚が僅かに低下したものの、カーボローディング前と比べ有意な差には至らなかった。本研究の結果は、カーボローディングにより貯留される体水分は、常温環境下での運動時の体温調整に及ぼす影響は極めて小さいことを示唆するものであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和4年度に実施予定であった研究のうち、1つは予定していた対象者数を達成することででき、結果の解析等を進めている段階にある。ただし、実施予定であった他の研究については目標対象者数を達成できておらず、研究計画にやや遅れがみられる。そのため、研究期間の延長を申請した。
研究全体の計画のうち本年度内に完了できなかった内容は次年度に実施する予定であり、当初予定していた全ての研究計画の達成を目指す。

今後の研究の推進方策

次年度は、暑熱環境下での運動時の体温動態にカーボローディングが及ぼす影響について調査を行う予定である。本研究は宮崎大学教育学部と福岡大学スポーツ科学部と共同で実施するものであり、現在実施のための準備を進めている。
研究計画について、既に倫理審査を通過しており、速やかに実施できる段階にある。次年度実施の内容は、研究の特性上、秋季から冬季にかけて実施することが望ましい。そのため、夏季までに対象者のリクルートや、環境制御室等の実験環境についての準備を進め、秋季以降で速やかに実施できる体制を整える。
一方、依然として新型コロナウイルス感染症の影響により研究の実施が制限される可能性を否定できない状況にある。しかし、十分な感染症対策を行い、可能な限り計画通りの研究実施を目指す。万が一、感染状況の悪化により計画している研究の実施が困難な場合は、目標対象者数の変更など臨機応変に対応したい。

次年度使用額が生じた理由

令和4年度に実施予定であった研究内容の一部を年度内に実施することが困難であったため、次年度使用額が生じた。
令和4年度に実施予定であった内容は、研究期間を延長し、令和5年度に実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Muscle Glycogen Assessment and Relationship with Body Hydration Status: A Narrative Review2022

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Shiose, Hideyuki Takahashi and Yosuke Yamada
    • 雑誌名

      Nutrients

      巻: 15 ページ: 155

    • DOI

      10.3390/nu15010155

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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