研究課題/領域番号 |
20K11392
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
和田 智仁 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 准教授 (70325819)
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研究分担者 |
永原 隆 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 講師 (80755372)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 慣性センサ / スプリント走 / 動作分析 |
研究実績の概要 |
小型のセンサは身体や機器への装着が容易であり,アスリートの動きを妨げにくいことからスポーツにおける選手や器具の測定に向いていると考えられる.これまでにセンサを用いたスポーツの動作分析については様々な研究が行われ,その有効性が示されている.小型の慣性センサを用いた測定に関しても多数の先行研究がある.しかしながらそれらの先行研究において,センサの装着位置や装着方法,サンプリング周波数,センサ重量などの条件は様々で,走動作分析に限っても多くの手法が存在している.そこで本研究では,慣性センサを用いたスプリント走の動作分析に着目し,フォースプレートやモーションキャプチャシステムなどの従来機器を用いた測定との比較を行いつつ,走動作分析手法の特性を明らかにすることを目的としている. 2021年度においては,利用可能な複数の慣性センサシステムを用い,スプリント走の標準的な測定手法の開発に関する検討を行った.具体的には,走行時の姿勢推定手法,ピッチの算出,ストライド長推定,走速度推定などを行った.慣性センサからの推定精度を検証するため,50mフォースプレートに加え,レーザー式スピード計測装置による測定も実施した.これらの複数のセンサシステムにおいてセンサフュージョンによる姿勢推定ではある程度の結果を得たものの,具体的な精度検証に時間を要している.また,走速度推定に関しては困難に直面している.現場で利用できる程度の推定精度が得られるかどうか検討を進めているところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
感染症対策の影響もあり,様々な条件下での測定実験が遅れている.これに伴い研究成果の発表も遅滞している.
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今後の研究の推進方策 |
昨年同様,選手を対象とした測定が難しい状況が続くことが予想されることから,測定・分析項目の絞り込み,また現場での要望が高い項目の絞り込みを行い,分析手法の開発に注力したい.走速度に関しては,基準となる測定に苦労しているところであることから,センチメートル級の測位が可能となったGNSSの利用も含めて検討を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
測定実験に延期,中止が発生し,研究計画の遅延が発生している.また,学会のキャンセル等で研究費の執行額が減少した.これらの理由から次年度使用額が発生している.2022年度においては,遅れている実験の遂行と,計画変更に伴う機材の調達,関連学会での発表等で使用する予定である.
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