本研究は、ストレス高感受性BALB/cマウスを用いて、運動を嫌悪刺激として受容・記憶し、回避するという行動に扁桃体が関与しているかどうかを検討した。実験の結果、このマウスでは、強制的トレッドミル走運動(TR)がストレス反応の亢進と、嫌悪記憶の形成に関わる扁桃体領域の活性化を引き起こし、これらの変化が相関することを確認した。この結果は、今後、嫌悪刺激の記憶と回避をモデルとした運動離れの脳機能を検討していく上で、扁桃体が標的となる可能性を示唆する。また、TRの記憶・回避を評価する新たな行動テストの確立を試みたが失敗に終わったため、プロトコルなど今後さらなる検討が必要である。
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