研究課題/領域番号 |
20K11395
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研究機関 | 上武大学 |
研究代表者 |
柳澤 修 上武大学, ビジネス情報学部, 准教授 (50371159)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 骨格筋 / 組織弾性率 / 筋力 / 筋パワー / 超音波 |
研究実績の概要 |
【目的】本研究は,骨格筋の固有の硬さと最大筋力・最大パワー発揮能力の関係性を検討することを目的とした.【目的】レジスタンストレーニングの習慣を持たない男性23名(平均年齢19.7±1.2歳)を対象にした.超音波診断装置(Aplio 300,キャノン社製)に搭載されたせん断波エラストグラフィー機能を用いて,安静時における肘関節屈筋群の弾性率を肘関節90°位で算出した.加えて,超音波診断装置のBモード法を使用して,肘関節屈筋群の筋厚を上腕長の遠位60%部位で測定した.次に,最大等尺性肘屈曲力は,等尺性筋力計(特注,竹井機器工業社製)を使用して,肘関節90°位で3回計測した.なお,統計分析には得られた最大筋力を推定筋断面積(安静時の筋厚を直径とした筋断面積)で除した値を用いた.さらに,リニアポジショントランデューサ(GymAware, Kinetic Performance社製)を用いて,肘屈曲の最大パワーを3回計測し(最大挙上重量の30%の重りを使用),その最大値を統計分析に使用した.肘関節屈筋群の弾性率と最大筋力/推定筋断面積の関係ならびに肘関節屈筋群の弾性率と最大肘屈曲パワーの関係はピアソンの積率相関係数にて評価した.有意水準は5%未満とした.【結果】肘関節屈筋群の弾性率と最大筋力/推定筋断面積の間には有意な正の相関関係が認められた(r = 0.56,p = 0.005).その一方で,肘関節屈筋群の弾性率と最大肘屈曲パワーの間には有意な相関関係は認められなかった.【結論】本研究の結果から,大きな筋力を発揮できるものは硬い骨格筋を有することが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症の影響によって計画通りに研究を進めることが困難であった.
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今後の研究の推進方策 |
コロナ感染症対策に十分配慮しながら,今後は骨格筋の硬さと筋持久力の関係性について検証を進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の実験は,新たな器材を購入することなく,現有の器材を工夫して使用することで対応することができた.そのため,器材購入費用に充てる予定であった助成金が大幅に未使用となった.今後,助成金は,筋持久力を計測するための器材購入費用,英論文投稿費用,ならびに学会出張費用等に使用する予定である.
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