研究課題/領域番号 |
20K11400
|
研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
今井 智子 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (50613593)
|
研究分担者 |
渡部 厚一 筑波大学, 体育系, 准教授 (30447247)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 気道炎症 / 上皮由来サイトカイン / アスリート |
研究実績の概要 |
運動中の換気量増大に伴う気道粘膜の脱水や冷却及び機械的ストレスは気道上皮細胞を損傷させる可能性がある。一方、アスリートは連日トレーニングを実施するため十分な回復を待たずに気道上皮細胞を繰り返し損傷していることが推察される。 近年、気道上皮細胞のシェアストレスや損傷により炎症を誘導するアラーミンとして上皮由来サイトカイン(IL-33、IL-25、TSLP)が放出され、非特異的にアレルギー性炎症が生じることが明らかになった。つまり、換気量の増大に伴う気道上皮細胞の損傷が上皮由来サイトカインを放出させ、気道炎症を導く可能性がある。しかしながら、上皮由来サイトカインと運動ストレスとの関連は明らかではない。そこで、本検討は大学アスリートを対象に運動と気道上皮由来サイトカインの応答を明らかにすることを目的とした。 本年度はトレーニング環境温と気道上皮由来サイトカインとの関係を明らかにするため年に2回の測定計画を立てた。対象は陸上中長距離の大学アスリート18名だった。測定は6月中に2日間実施し、測定1日目に呼吸機能測定(スパイロメーター)、呼吸一酸化窒素の測定、FFQ(食物摂取頻度調査)の調査を実施した。測定2日目は血液を採取し、その後速やかに血清に分離し-80度の冷凍庫に凍結保存した。一方、冬季に予定していた測定は、感染者数の増加やまん延防止法により中止となり実施することができなかった。次年度改めて測定を実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度はアスリートのトレーニング環境(季節による環境温の変化)と気道上皮由来サイトカインの応答を検討するため、Baselineの測定を行うことができた。しかしながら、2回目の測定(Post)は蔓延防止法の発布により実験中止をせざるを得ず、予定していた測定を行えなかった。これにより、予定していた検体数を確保できず、分析ができなかったため「やや遅れている」にしている。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は、改めてアスリートの気道上皮由来サイトカインに関する検討を実施するため、感染状況を踏まえながら大学アスリートを対象に最低でも年2回の測定を実施する予定である。また、昨年度は感染状況などが落ち着かず、運動習慣のない一般の対象者の協力をほとんど得ることができなかったが、本年度は測定を進める予定である。以上の測定を進め、トレーニング環境における気道上皮細胞由来サイトカインの応答及び運動習慣の有無と気道上皮由来サイトカインとの関連に関して検討を進める予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた測定が、感染状況及び蔓延防止法が適用され中止せざるを得なくなったため、予定していた検体数を集めることができていない。そのため、分析時に必要なELISAキットを購入していないため残額が生じている。
|