| 研究課題/領域番号 |
20K11401
|
|---|
| 研究機関 | 中京大学 |
|---|
研究代表者 |
今 有礼 中京大学, 教養教育研究院, 教授 (00455445)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
| キーワード | 低酸素 / レジスタンス運動 |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究の目的は，レジスタンス運動や低酸素刺激により分泌が促進される新規マイオカインに着目し，低酸素レジスタンストレーニングがインスリン感受性に及ぼす効果について検討することである．本年度は，低酸素環境で行う一過性レジスタンス運動が，新規マイオカインに及ぼす影響について検討した．
健常な成人男性10名を対象とし，常酸素および低酸素環境でレジスタンス運動を実施した．レジスタンス運動は，マシンを用いたベンチプレスとレッグプレスとした．上記2種目における各被験者の最大挙上重量（1RM）を測定し，70%1RMを算出した．挙上重量70%1RMを用いて，挙上回数10回，セット数5セット，セット・種目間休息1分で両環境においてレジスタンス運動を行った．低酸素環境における運動の際は，酸素濃度を13.6%に設定して実施した．実験はシングルブラインドクロスオーバー法を用いて，各環境での運動を4週間以上の間隔をあけて行った．採血は，レジスタンス運動前，運動直後，15分後，および60分後に行った．測定項目は，apelinおよびzinc-α2-glycoprotein（ZAG）とした．
Apelinは，常酸素環境においてレジスタンス運動後に有意に増加した．一方，低酸素環境においては，レジスタンス運動前後にapelinの有意な変化は認められなかった．ZAGは，両環境ともにレジスタンス運動後に有意な増加が認められたが，環境間での差は認められなかった．
以上の結果から，低酸素環境で行う一過性レジスタンス運動は，常酸素環境と比較し，apelinの増加を抑制する可能性が示唆された．
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度の研究計画に関しては，おおむね計画通りに実験を遂行することができたため，このように判断した．
|
| 今後の研究の推進方策 |
2021年度は，高齢者などの低体力者などを想定し，低強度での一過性低酸素レジスタンス運動が新規マイオカインに及ぼす影響について検討する．一過性レジスタンス運動前後に採血を実施し，両環境での新規マイオカインの応答について比較検討する予定である．
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
2020年度の未使用額に関しては，消耗品の購入費として使用する予定である．
|
