本研究は、全身持久力向上を目的とした新たなトレーニング方法の基礎実験を行い、その効果を生理・生化学的、分子生物学的に分析する点で学術的意義が大きい。また、幼若期からトレーニングを積んだマウスへの効果を評価することで、実際の競技スポーツ現場への応用を念頭においている点が特徴的である。高圧暴露と短時間の間欠低酸素暴露をトレーニングに組み込むことによって、骨格筋の脂質代謝の向上とミトコンドリアの酸化的リン酸化が向上することで、持久的運動能力が顕著に向上することが本研究によって明らかとなった。これらの結果は、今後のスポーツ界に新たなトレーニング方法を提案する基礎的データであり、その社会的意義は大きい。
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