研究課題
本研究は,クロスカントリースキー選手の競技力向上を目的として,選手がコースのどこで,どのような時に,どの走法で滑走したかを携帯型高精度GNSSで分析・可視化し,選手・コーチにフィードバックするシステムを構築する.2020年度は,クロスカントリースキー選手の競技中の滑走データ収集のための携帯型高精度GNSSの装置開発を行った.GNSS移動局にはサンプリング周波数10HzのZED-F9Pモジュールを用いた.開発した携帯型高精度GNSSを用いてクロスカントリースキー競技のスケーティング種目の滑走実験を行った.収集した滑走データから走法判別アルゴリズムを開発するのに必要な情報となる,サイクルタイム,サイクルレングス,上下左右運動の振幅,直滑降時のスキーと雪面間の摩擦係数等の特徴量を抽出することに成功した.2021年度は,携帯型高精度GNSSを用いてクロスカントリースキー選手の競技中の滑走データを収集する実験を行った.被験者はクロスカントリースキー・スケーティング種目でインカレまたは国体出場経験者である.テストコースは新潟県池の平クロスカントリースキー3kmコースを利用した.選手の後頭部にアンテナを装着し,ミリメートル精度でスキー滑走中の運動データを計測収集することに成功した.また,選手の腰に小型ビデオカメラを装着し,左右のスキーの動きを録画した.2022年度は,走法分析システムの開発を行った.滑走データから選手の左右の蛇行や頭部の上下運動を抽出し,選手が選択したV1,V2,V2a走法を半自動的に判別することに成功した.このシステムを用いて,選手が選択した走法と位置やコースの斜度やスキーの速度とを比較・可視化し,選手の滑走パフォーマンスを分析した.さらに,携帯型高精度GNSSをサンプリング周波数100HzのMosaic-X5モジュールに改善した結果,95%以上の走法判別率を実現した.
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Sensors and Actuators A: Physical
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