研究課題
2022年度は、CFDシミュレーション結果から,先行研究と同様に選手の頭部および腕部と脚部についての空気抵抗が大きいのが分かった.また,そのような部位周辺の流れ場をウェアによって制御し空気抵抗力を低減するためには,身体の部位を模した形状で空気抵抗力を計測する基礎実験を行い,ウェア研究開発における生地選びの指標を作ることが有効であると考えられ,選手腕部に着目し、その形状の近いシリンダー模型で基礎空力特性を検討することで,生地形状が空気抵抗に及ぼす影響について検討したシリンダー模型を用いた風洞実験の結果を示しており、本実験で使用した生地は,表面に凹凸のある生地Aと,縦向きのストライプの生地B、そして、横向きのストライプの生地C、滑らかな生地Dの4種類のタイプになる.ウェアを装着していない場合(ヌード)では、速度が大きくなるほど計測抗力が上昇することがわかった.また,ウェアを装着しないヌードの場合から空気抵抗力が低減した割合をみると,生地Bでは、時速60km/hの時に計測した抗力が生地を装着しない場合に比べ25%ほど減少した.そして,生地Aは、全速度区間(50~60 km/h)で抗力の低減がみられ,他の生地より低い空気抵抗をみせた.特に、55 km/h~60 km/hまでの区間では、約30%の空気抵抗を減らすとかなり良い結果を示した.また、生地Cと生地Dでは、風速によってそれぞれ1から2%位の空気抵抗の変動が見られた.これらの結果は,生地表面の形状によって、周囲風速に応じて、シリンダーの周りで空気流れ場を変化させているのではないかと考えられる.また、この結果から、選手の主流スピードに合わせた素材選択により、最も効率的に推進力を生じることが可能になると判断できる.
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フットボール科学
巻: 18 ページ: 195-202
Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers, Part P: Journal of Sports Engineering and Technology
巻: OnlineFirst ページ: 1-16
10.1177/17543371221101234
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