研究課題
今年度は、競技力を構成する契機の1つであって、他の2つの契機、すなわち、身体性と知性を統御する上で重要な役割を果たしている「価値判断にかかわる能力」である「感性」に着目し、他と比して最も複雑な特性を有するバスケットボールを対象に、競技力の重要な製作者でありながら未だ解明がなされていない「コーチ」の価値判断の基準と規範的原理の抉出を試みることで、すでにその解明を終えている「競技者」(内山,2014)と「チーム」(内山,2015;2019)と併せて、最終目標である「チームスポーツにおける競技力の形成と向上を支える深層の仕組み」の究明へとつなげる予定であった。しかしながら、上記「コーチにおける感性」および最終目標である「競技力を深層で支える仕組み」そのものの究明を深化していく上での前提要件の再確認・再認識の作業に時間を費やすことになった。結果として、改めて「コーチング科学」の学問性や、部分としての競技者と全体としてのチームにかかる関係性をめぐる問題解決において重要なキーワードとなる「チームワーク」や「チームパフォーマンス」の分析・考察にとどまることとなった。その理由は、今年度はこの3年間の最終的な目標である、チームスポーツにおける「競技力の形成と向上を支える深層の仕組み」を抉出する上で、チームスポーツに固有の「価値判断」と深く関連する技術や戦術などを行使する際に不可避の「コーチング」そのものの学問性の再確認に加え、チームスポーツに固有の「チームワーク」の形成や「チームパフォーマンス」の向上についてのチーム内での「共通理解」の生成プロセスとそれを測定する基準(尺度)を今一度精査することが不可欠であると判断し、それはまた、指導学生の博士論文作成の一助になるとも考え、その成果をいずれも誌上において発表したためである。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 5件)
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