研究課題/領域番号 |
20K11416
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
鈴木 明哲 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70252947)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 戦後 / オーストリア / 体育 / スポーツ / 非ナチ化政策 / ナチス親衛隊 / ナチス党 |
研究実績の概要 |
2023年度は6月に開催された体育史学会において「SS・NSDAPであったオーストリア・トップスイマーの弁明-1946年5月における連邦教育省スポーツ局への競技出場請願から-」と題する口頭報告を行い、本助成事業の成果をようやく発表することができた。渡航による資料調査も10月にウィーンとベルリンで実施し、こちらも大きな成果を得、次年度に向け研究が進展した。 ウィーンでは、ウィーン大学スポーツ科学研究所のミュルナー教授から有益な示唆を頂き、1948年の冬季及び夏季オリンピック出場と元ナチ党員、元ナチス親衛隊員という観点に基づく新たな分析枠組みの設定にまで至ることができた。またオーストリア国立文書館では、1934年からナチ党員であり、ナチス親衛隊でもあった別のオーストリア・トップスイマーに関する戦後のパーソナル文書を閲覧、収集することができ、新たな事例を検討、考察することが可能となった。 ベルリンでは、ドイツ連邦共和国文書館でBinder(プロサッカー)、Streicher(学校体育)、Hradetzky(オリンピアン)、Rittsteiger(アマチュアトップアスリート)ら、4名のパーソナル文書を閲覧、収集することができた。これにより2024年度の学会発表に向けた準備がほぼ整えられた。また同文書館にはまだまだ多くの体育・スポーツに関する元ナチ党員のパーソナル文書が所蔵されていることが判明し、さらなる資料調査が必要であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響により当初は研究の進展が遅れていたが、その後2年間、計3回の渡航調査を敢行したことにより、ようやく学会発表ができるところまで回復し、順調に来ている。助成事業の延長申請も承認済みで、2024年度以降もさらに大きな研究成果を期待することができる見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの資料調査及び収集の結果を踏まえ、2024年度は国内の二つの学会において成果発表を行う予定である。一つはトップスイマーであったPaukerlに関する研究の総括的報告であり、もう一方はプロサッカー選手であったBinderに関する考察報告である。 新たな資料調査計画としてはカヌーのオーストリアチャンピオンであり、ナチス親衛隊でもあったRittsteigerに関するパーソナル文書をオーストリア国内の州や市の文書館で調査、収集すること、そしてベルリンのドイツ連邦共和国文書館でやり残したRinnerというトップアスリートであり、しかもナチス親衛隊でもあった人物のパーソナル文書を閲覧、収集する予定である。 助成事業の延長申請をしたことにより、以上のような研究計画遂行が可能となり、当初の目標が達成できると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度及び2021年度に渡航調査ができなかったことにより、残額が生じた。助成事業の延長申請が承認されたことにより、2024年度には国内学会における成果発表を2回、最終的な渡航調査を1回実施することを計画している。
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