研究課題/領域番号 |
20K11419
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
野村 照夫 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (60189438)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 水泳 / AI姿勢推定 / 安全な水泳指導 |
研究実績の概要 |
頭部が上にある姿勢によって学習された既存の姿勢推定方法を飛込競技の空中姿勢に用いるための機能改善を行うことを目的とした。FINA Diving World Series2018の高飛込演技映像(NFより撮影許諾取得)の空中演技を対象とした。PoseNet Pytorch(Wightman R., 2018)から座標出力するプログラムを自作した。空中姿勢は、Python とOpenCVを用い画像を45度毎に8段階回転させた。同一コマ上に複数人が検出されたため、演技者特定のため、PythonとOpenCVのTracker APIを用い演技者のトルソを追跡し中心座標を得た。離台から着水までの107コマの腰部座標の手計測と自動計測の相関係数は水平方向0.935、鉛直方向0.988であり、簡易運動記述が可能となった。中心座標から100px範囲に腰座標のあるヒトを抽出し演技者とした。姿勢推定については概ね追随が確認できたが、認識できないコマも散見された。原因として、画像の回転角による認識性能、背景の写り込みなどが考えられる。狭い範囲の画像を細かいステップで回転し認識させること、背景処理などが改善点である。 安全な水泳指導における実践知の集約については、2015年から2021年に行った水泳の安全指導のためのK市立小学校のプールおよび授業の視察、聴取、還元に関する93校の記録を整理した。準備や授業に関する、ヒト、モノ、コトについて、各校の取り組みや配慮を検討した。水深の見える化、見学者への配慮などに工夫が見られた。また、COVID-19の感染予防対策についても検討した。更衣室と教室の併用、固定されたフックにタオルを袋に入れて接触を防ぐ、プールサイドに座る位置の具体的明示、数字やパネルでの指導などの工夫が見られた。一方、指導者と監視者の分業、緊急用ホイッスルの首掛けなどに課題が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響により、競技会の撮影はできず、水泳授業の開講も制限された。しかし、これまでに撮影した映像を用いAI姿勢推定を行い具体的な進展が見られた。また、安全な水泳指導についてはこれまでの資料を加えて具体的に検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
AI姿勢推定については年々アップデートされているのでより精度のよいものを用いる。また、狭い範囲の画像を細かいステップで回転し認識させること、背景処理などを目指す。 安全な水泳指導における実践知の集約については、集約した点検表、ガイドライン、手引きなどのテキストマイニングを行いタグ付け等の構造化を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月に発注したビデオコンバータVC-1-SC(115,830円)が3月中の納品に間に合わず、4月になったため。
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