研究課題/領域番号 |
20K11425
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研究機関 | 高千穂大学 |
研究代表者 |
新井 健之 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (20397095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 視覚トレーニング / 注意配分 / 運動錯覚 / 運動予測 / 動作の自動化 / ゴルフ / スキー / スノーボード |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、対象物への注意配分により変化する運動予測特性を考慮した視覚トレーニングの開発である。それにより、飛躍的な視覚トレーニング効果の向上が期待できる。報告者は、対象物への注意配分変化により、動きを錯覚することを発表している。その知見は視覚トレーニングの開発を行う際に、対象物への注意配分変化という状況変化を考慮しないと、効率的にトレーニング効果を得ることができない可能性を示唆している。例えば、本番で役に立つ練習方法や、戦略トレーニングとしての応用も可能となる。そして、動作の自動化により影響が減ることから、トレーニング熟練度評価への応用も可能となる。 2021年度は、日本体育・スポーツ・健康学会で、新たな試みとして児童、大学生を対象に認知予測能力の男女比較を3演題発表した。また、同学会誌の特集記事として今までの研究成果の一部をまとめた論文を寄稿した。日本体力医学会では、縦断的加齢変化について発表した。そして、認知予測研究会を科研費補助により開催した。複数の分科会にて、ボール落下の予測と注意の関係や認知予測特性の男女差について議論した。 そして、対面で開催された研究会(ゴルフ、テニス、スキー、スノーボード、卓球)で、それぞれの種目特性にからめた認知予測特性に関する議論をした。 被験者の確保が困難であったが、予備実験を行った。スキーではコブ斜面とオフピステで、スノーボードではオフピステで、記憶による注意分散実験を行った。結果、より大きく注意を分散させることにより、動作の自動化をも崩す錯覚が起きる可能性が見られた。ゴルフでは、パッティングやアプローチの距離感について予備実験を行った。そして、テニスでは、レシーバーの注意の捕捉を利用した予備実験を行った。何れも、一時的には理論と合致する結果となるが、実験条件の統制方法について議論の余地を残した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の最終目的である、対象物への注意配分により変化する運動予測特性を考慮した視覚トレーニングの開発には、物体の運動予測特性の解明が必要不可欠であり、本研究期間内で行う予定である。2021年度は、昨年度からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大による影響で、研究計画実行が滞ったままである。 研究遂行を行う上で大きな問題が2点あった。1点目の研究発表の行い議論を行う場の確保は、遠隔開催・対面復活により少し回復傾向であったが、2点目の実験の実施に関わる場や被験者の確保は、依然として難しい状態が続いた。 しかし、1点目の研究発表・議論の場も、遠隔会議システムの導入では、対面のような同時多発的な議論の場の拡大は期待できず、対面と比較して有効度は低かった。2点目の問題は深刻で、被験者の確保もさることながら、実験統制のために行っていた、不要な注意分散を避けるための閉鎖空間と感染症対策の両立を図る必要があり、困難な対面実験状況をクリアできる感染症対策を模索する。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、2020年度から引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響により、研究遅延が生じた。この影響が、今後も続くか収束するかは、現状では予測不可能である。その為、2022年度は、影響が残ると仮定し研究の推進方策を行う。コロナ禍の影響を受けた点は2点ある。1点目は、研究発表の行い議論を行う場の確保である。2点目は、実験の実施に関わる場や被験者の確保である。 1点目の研究発表の行い議論を行う場の確保では、対面開催中止となった日本ゴルフ学会の理事会に働きかけ、遠隔での学会発表を目指す。また、日本体育・スポーツ・健康学会や複数の研究会では対面での開催が予定されていることから、会場での議論を進める。2019年に科研費を利用し立ち上げさせて頂いた認知予測研究会も、徐々に参加人数を増やし、分科会単位で活動が行えるようになってきている。科研費を利用させて頂き、遠隔や対面での研究会開催を行う予定である。そこでの議論の成果を、より多くの研究者と議論するために、参加人数が多い、日本体育・スポーツ・健康学会や日本体力医学会、ゴルフ学会などでの発表を行う予定である。 2点目の実験の実施に関わる場や被験者の確保では、感染症対策が充実し、早くから授業を再開している関東地区以外の大学の学生を対象にした実験を、統制条件を緩めて実施し、学会発表する予定である。また、今までの実験データは、全てが解析でき発表したわけでは無い。特に性別に関しては、性差が実験結果に影響する可能性も考慮し、被験者は男性を中心に、性別を混在してのデータ解析は行っていない。今後は、それぞれ別々に発表してきたデータや未発表データを性別で比較し、物体の運動予測特性に関しての性差についても議論を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、2020年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響により、学会発表や実験等が遅れ、研究遅延が生じた為、次年度への繰り越しが生じた。 2022年度は、各発表予定の学会も対策を講じ、遅延が生じた学会発表を予定している。また、万全の感染症対策を講じ、研究会開催を予定している。そして、万全の感染症対策を行い実験も再開する予定である。
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