研究課題/領域番号 |
20K11440
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
奥住 秀之 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70280774)
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研究分担者 |
平田 正吾 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10721772)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 知的障害 / 不器用 / アセスメント |
研究実績の概要 |
本年度は、新型コロナウィルス感染症の流行拡大に伴い、予定していた研究協力施設での調査を見送らざるを得なかった。そこで、これまでに取得していた本研究課題の内容と関連するデータをまとめることに、本年度は主眼を置いた。 知的障害児・者における不器用と関わるであろう現象の一つとして、運動プランニングの一種である最終状態の安楽効果(ESC効果)を取り上げ、その出現の実態や誤反応の様相、知的機能との関連についてまとめたものを国際誌に投稿し、採択された。ESC効果とは、最終的な姿勢が安楽となるようあらかじめ運動が計画される現象を指し、運動と認知の結節点にあるものとして、近年国際的にも注目されている。知的障害者におけるESC効果について報告したものが、ほとんどないことを踏まえると、知的障害者においてESC効果が稀な現象であることを指摘し、またその代わりに出現する誤反応の特徴についても考察した本論文の学術的価値は高い。 また、こうしたESC効果が、知的障害児・者に事前に行うべきモデルを直接的に示した場合にも出現が促進されないことを示す調査結果についても、大学紀要に発表した。更に、知的障害児・者における運動行為を、どのようにとらえるかについての視座を、これまでの自らの研究に基づきまとめ、専門書の一章として発表した。これらに加え、知的障害者における運動能力の特徴を、脳性マヒとの連続性のなかで検討する必要性を指摘する論文も、専門書の一章として発表した。こうした検討は、次年度以降における本研究の検討内容の指針となるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の流行拡大に伴い、予定していた研究協力施設での調査を見送らざるを得なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の流行状況の収束が認められしだい、予定していた調査、特に知的障害児・者の運動機能の評価と日常生活における特徴の関連を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の流行拡大により、予定していた調査を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。実施が可能な状況になり次第、調査を再開し、研究費は使いきられる見通しである。
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